アニメ声優初挑戦で挑む難役

 演じる百鬼丸は、最初はのども奪われていて、声が出せない設定のキャラクター。アニメの声優初挑戦で挑むにはかなりの難役だ。

最初、ちょっと笑いました。しゃべんないんだって(笑)。この役は段階を考えるっていうのが難しいことで。のどを取り戻せた直後にすごいペラペラしゃべるのはリアルじゃない気がするので、このアニメは心理的にとてもリアルだと思います。最初って、感情があふれすぎちゃうんですよ。大切な何かのために感情が爆発して、それが音になるっていう。しゃべるのではなく音になったのはいいことだなと思いました。その後、どろろが百鬼丸の気持ちをどんどんほぐしていってくれてぽろっと出るひと言であったりとか、そういうところもすごく繊細でキャラクター性を感じますね」

 アニメで演じた経験は舞台にどう生かされるのか。

アニメーションでアクションがカッコよく作られていてすごく感動したので、それは個人としてその動きひとつひとつを取り入れられたらなと感じてます。役作りとしては、あまり何もしないっていうのがポイントかなと思っています。テクテク歩いてたのにいきなり立ち止まってそこから動かないみたいな、お客様が見てて“あれ、なんで止まったの?”って思う。その“なんで?”をいっぱい引き出したいですね。ん? って思った瞬間に、どろろが“兄貴なんで動かないんだよ~”って突っ込んでくれるので(笑)。そのバディ感は最大のミソだと思うので大事にしたいです」

鈴木拡樹 撮影/森田晃博

 百鬼丸の人物像を鈴木さんは人間っぽいと語る。

「物語の主人公でヒーローなので、人のために善の行いをすることが多いのかなと思っていたら、とても人間らしい自分の衝動だけでも動いていて、この人ヒーローじゃないって強く感じて。それがドラマとしてすごく好きです。人形みたいで何を考えているのかわからないってところから始まって、最後に出てきたのがとっても人間だったんだなってところがうまく表現できたら面白いかなって思いますね