「だからというわけじゃありませんが、本音を隠さないスピーチというか、芸能人の営業姿勢を垣間見せるような伸び伸びとしたスピーチでしたね」

 映画雑誌の記者がそう指摘するスピーチは、次のようなものだったという。

「“今年はいろんな映画賞をもらったけどこの賞は別格。なぜなら普段取材してくれる記者さんが選んでくれるから。今後、記者さんにフルサービスをすれば、いずれ主演女優賞に選んでもらえるかも”と、しなを作りながら話したんです。あそこまで打ち明けられれば、もうご立派です」(映画雑誌の記者)

 通常であれば、この手の発言を舌禍事件風の記事にする東京スポーツも、今回は主催者側ゆえ、安心だ。

 さらに松岡はぶっちゃけたという。

松岡の売り込み巧者ぶり

 先の記者が再び言う。

「司会を務めた阿部サダヲと会話した際、阿部が主演するNHK大河ドラマ『いだてん』に『あまちゃん』の出演者が次々ブッキングされると松岡自身が指摘し、“私は第何弾で発表されるキャストですか? ってNHKのプロデューサーにメールをしました”、と語ったんです。

 例えそんな営業努力をしていても、芸能人は普通しゃべらない。松岡の、ちょっとした上昇志向が明らかになった瞬間でしたね

 その翌日、日本映画テレビプロデューサー協会主催の賞『エランドール賞』の授賞式が開催された。新人賞を受賞した松岡は出席し、終わった後に囲み取材に応じたのだが……。

「新人賞受賞者は永野芽郁や志尊淳ら全部で5人。取材時間はひとり3分という制限があり、質問としては2問ぐらいでおしまい。『万引き家族』の共演者の樹木希林さんのことなどでタイムアップでした。

 ただ、ここでも松岡は『今後やりたい役は?』と聞かれた際、他の受賞者はやりたい役柄だけを答えたのに、松岡はその前に『言いどきですよね』とこの賞がプロデューサーによって選ばれて注目されていることに、にっこりとアピールしたんです」(前出・映画雑誌記者)

 2日間連続で明らかになったのは、松岡の売り込み巧者ぶり。8歳から芸能界の水につかっているからか、状況を把握する能力はさすがだ。

 ちなみに松岡のやりたい役は「制服を着てテレビドラマや映画に出たいです!」(本人)

<取材・文/薮入うらら>