宮野真守

 声優といえば、アニメのキャラクターを演じ、洋画の日本語吹き替えなどを担当する“声のプロ”。そんな彼らを応援するファンに、変化が訪れているという。

声優雑誌の編集長に聞いてみた!

「かつては、声優が演じているアニメのキャラクターが好きで、声優とキャラを重ねているファンが多くいました。しかし、近年では声優本人を応援する人がとても増えていますね」

 そう語るのは声優マガジン『Cool Voice』の春名衛編集長だ。同誌は人気声優のグラビアやロングインタビュー、イベントレポートなどで構成され、そのときどきの話題の声優たちが登場する表紙は声優ファンたちから熱い支持を集めている。

「もちろん、昔からアニメのキャラクターとして声優が歌う“キャラソン”のニーズは高かったのですが、作品を飛び越えて声優本人のオリジナルの歌が売れ、コンサートが話題になるようになったのは、10年ほど前からです。

 その要因のひとつとして、アニメのDVDやブルーレイディスクの発売イベントといった“直接会える”機会が増え、声優とファンの距離が縮まったことがきっかけになっているのではないかと思います」

 春名編集長は「男性声優と女性声優では、ブームの流れや時期に違いがある」としながら、現在の男性声優人気の火つけ役になったのは「'01年に高校生で声優デビューした宮野真守さんの影響が大きい」と分析する。

 宮野さんは、もともと小学生時代から子役として活動していたこともあり、演技の延長線上で声優を始めている。

「宮野さんが声優界に登場したときのインパクトはとても強かったですね。デビュー間もなく人気作の主役(『DEATH NOTE』の夜神月役)に抜擢され、どんどん女性ファンを獲得していきました。

 現在は、声優だけでなくシンガーとしても活躍し、タレントとしても人気が高い。彼はマルチな才能を発揮する男性声優のパイオニアといっても過言ではないと思います」

 そんな宮野さんを筆頭に、先日は人気番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK系)で声優神谷浩史さんの密着ドキュメンタリーが放送されるなど、各界から注目を集めている。

 声優シーンが盛り上がっている今こそ声優ファンデビューのチャンスと、春名編集長は語る。

「人気声優はワンクールの中で複数のアニメに出演するので、作品によってまったく違う一面を楽しめるのは、声優ファンの醍醐味でしょう。

 また、声が魅力的なのはもちろんですが、しゃべりのプロでもあるのでトークもおもしろい。彼らのラジオ番組もおすすめです

 そして、アーティストや俳優など多方面で活躍している人は、会いに行ける、応援する機会もたくさんありますから、追いかける楽しみがあると思います」