常盤自動車道であおり運転をした上、20代男性ドライバーに暴行を加えて傷害容疑で全国に指名手配され、18日に逮捕された住所、職業とも不詳の宮崎文夫容疑者(43)の“傾奇者の素顔”が取材で明らかになった。

 関係者によると、同容疑者は関西の有名私大を卒業後、大手センサー企業『キーエンス』に新卒入社。当時、先輩だった男性によると、「仕事もロクにできないくせに口だけは一丁前だった」という。

「入社早々、ガングロで眉を細くして出社。どこの半グレかと思うほど浮いた存在でした。うちは堅い会社で、白いワイシャツしか着用を認められていないんですけれども、宮崎容疑者は新人研修中に黒いパンクロックのド派手なTシャツを着てきたり、金のネックレスをつけてきたりして、人事担当者から“ビジネスマナーがなってない”とさっそく怒られた。

 口癖は“オレ、起業して世界をとりたいねん”。傾奇者を気取ったんでしょうが、そのくせ商品知識を覚えられないなど研修成績が悪く、同期約40人中、ダントツのビリッケツでした」(同男性)

 従業員の平均年収が2000万円超といわれる同社でその手のパフォーマンスが通用するはずもなく、即浮いた存在に。研修を終えると名古屋支社に配属され、顕微鏡やレーザー測定器を販売する営業マンになった。

「ところが、転勤に伴う引っ越し手続き中、またトラブルを起こしたんです。会社の経費で宮崎容疑者の自家用車を、実家のある大阪から新居の名古屋まで運ぶ段取りで進めていたところ、ヤツがそれをめっちゃ嫌がって担当者に噛みついた。

“だれにもクルマを触らせたくないんよ。古いクルマだから、ハンドルを切りすぎるとステアリングと足回りに負担がかかってダメージが出んねん”と口をとがらせてゴネたそうです」(前出・同)

 当時の愛車は高級外国産車のBMW。宮崎容疑者は学生時代から乗り回し、「丸目の5シリーズが好きで、中古車店を何軒も回ってようやく手に入れたんや」と自慢していたという。茨城県警は15日、宮崎容疑者あおり運転時に乗っていたBMWを押収しており、強いこだわりがうかがえる。

「当時の愛車は思いっきりシャコタン(車高を低くした改造車)でした。本人は“アルミホイールや足回りに50万円かけてんねん”などと吹聴し、クルマと彼女の話しかしなかった。

 そんな調子だったので仕事では1台約300万~400万円する顕微鏡を1台も売ることができず、1年もたたずに“オレ、ビッグになりたいねん”と言って退職した。たいてい新入社員でも1台は売れるんですけどね」(前出・同)

 全国に指名手配されて悪名だけはビッグになった宮崎容疑者。詳しい犯行動機の解明や余罪の捜査が待っている。