品物の背景を思い浮かべて

 アビシニアンの“アビィ”を飼っている真琴さん。次に紹介してくれた愛用品は、そんな子猫のころのアビィが描かれた、ワインレッドの宝箱だ。

宝塚の後輩の姿月あさとさんのご両親から、3年ほど前にいただいたものです。アビィが子猫のころの写真は、数枚しか撮れてなかったので貴重なんですが、それをモチーフに(小物や家具をデコレーションする)デコパージュして作ってくださったんです。 

姿月さんのご両親が、アビィの子猫時代の写真を見てデコパージュしてくださった宝箱
姿月さんのご両親が、アビィの子猫時代の写真を見てデコパージュしてくださった宝箱
【写真】目を引きまくる真琴さんのヒョウ柄Tシャツはこちら

 美しい宝箱自体うれしいけれど、ご夫婦で仲よく作業していらっしゃる姿を思い浮かべると微笑ましく、幸せな気持ちに“こんな素敵なご両親から姿月さんは生まれ、育ったんだな”と、しみじみ思いました

 後日談ですが、この宝箱をのぞき込んでいるアビィの姿を写真に撮って送ったら、それをモチーフに、ひとまわり大きな宝箱もプレゼントしていただき、大切に飾っています(笑)」

 30年来の友人の姿月さんと真琴さんの付き合いは、独特なものだそう。

「ベッタリじゃないのに安心できる。でも、まだ知らない部分もたくさんあります。彼女も私も気を遣う性質なので“気遣いシスターズ”なんですが(笑)、舞台に立ってもお仕事の話をしていても、阿吽の呼吸で通じ合えるんです

 ひとつひとつの愛用品への愛情だけでなく、品物の周りにいる人々との思い出、相手への気持ちまで大切にしている真琴さん。音楽活動、女優業だけでなく、バラエティーなどで活躍するのは、人との出会いが楽しいからといいます。

「ロケ先で、例えば農家の人のお話などをじっくり聞くのは好きですね。お仕事ではこの先も、いろんなことをやってみたいです。宝塚出身だと、ドラマなどでは刑事や弁護士など、カッコいい役へのオファーが多いけれど、私は意外に下町系

 なので、下町のお母さんもいいですね。それと、この低く、しわがれた声を生かして、魔女や老女の声のお仕事もやってみたいですね


《プロフィール》
まこと・つばさ ◎東京都出身。元宝塚月組トップスター。2001年の退団後は、舞台、テレビ、ラジオなど多方面で活躍。8月21日からは東京・新橋演舞場を皮切りに公演が始まる、お仕事コメディーの舞台『ブラックorホワイト? あなたの上司、訴えます!』に出演