事前にインタビューは決まっていた?

 確かにファンは復帰を待ち望んでいるだろう。また、ファンにとってはこれほどありがたい記事はないだろう。

 だが、読者は山口のファンばかりではない。100歩譲って激白はまだいいとしても、ポーズを決めた“グラビア”写真はいかがなものか。

 アイドル然としたこれらの写真を目にしてしまうと、“自分は一般人”とか“芸能界復帰はない”という言葉は詭弁(きべん)にしか聞こえなくなってしまう。

 事件直後にも関わらず、会見で「TOKIOに席があるなら戻りたい」と口走ってしまったことからもわかるように、彼はきっと心の奥底では芸能界に戻りたいと言う気持ちでいっぱいなのかもしれない。

 たとえ、深く考えずに写真を撮らせたとしても、堂々とキメポーズを取っている写真で巻頭を飾られてしまうと、『女性セブン』と結託して復帰の筋道をつけようとする“プロモーション記事”と捉えられてしまう可能性すら出てきてしまう。

 また「自分の言葉をメディアで発信したい」という意図を隠すために、よくあるインタビュー記事ではなく、“体として”直撃風になるように記事を構成したのでは? と邪推されても仕方がない。

 それほど、この“グラビア写真”は深い意味を持ってしまうのだ。

 週刊誌にノセられてしまった結果なのかもしれないが、せっかくの“最後の告白”なのにこれではかえって印象を悪くしてしまいそうだ。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌などで取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。