――学習院の試験は実際に受けられてみていかがでしたか?

学習院の入試はとても特殊で、第一志望の家庭を最優先に考えてくれている学校だと感じました。というのも、学校説明会や見学会、イベントなど、ほとんどすべての行事が氏名の登録制であり、他校と被る日程も多いんです。そのため、行事に参加している家庭は学習院を第一志望としていることが学校側にも伝わるようになっています。

 また、面接は子どもの考査中に両親のみで行われます。子どもが同席していないなか、じっくりと面接されるのです。大人対大人となるわけですから、こちらも本気でないと簡単に見破られます。

 合格者数も男女共に40名、補欠20名の合計120名。合否発表当日は、校門付近の掲示板に受験番号が掲示され、その場で合格書類を校庭を進んだところにある事務室にて受け取ります。

 そのため事務室への道は、校門付近でそそくさと退陣する方を横目に合格者のみが歩ける“栄光ロード”と呼ばれているんですね。幼稚園で散々私をディスっていた開業医夫人も、この栄光ロードを渡ることなくご夫婦で去って行きました

――入学されてみていかがでしたか?

「入学後に保護者を見まわしても、同じ幼稚園の方はいませんでしたし、多くの保護者は両親どちらかが初等科もしくは中等科や女子中等科出身、あるいは代々ご出身であったり、一族系企業の方ばかり。

 もちろん皇族関係者や旧華族出身など、歴史の教科書で出てくるような名字の方もいます。我が家なんて初等科のなかでは、一般以下の家庭です。

 しかし皆様、変わりなく接してくださいます。こういうところが保護者の質といいますか、お家柄といいますか、お育ちなんでしょうね。本当に身分の高い方々は、下々の人間を馬鹿にしたりしないんです。

 娘も息子も、錚々(そうそう)たる方々のなかで上手くやっていけるか心配な面はありますが、日本人として美しい人格と教養を身につけさせてくれる素晴らしい学校なので、学習院の生徒として、保護者として、家族4人、多くのことを学ばせていただこうと思っています」

<著者プロフィール>
いとうゆりこ◎お受験コンシェルジュ&戦略プランナー。自身の経験から美容や健康・芸能・東京に関するマネー情報まで幅広い記事を各媒体で執筆中。いとうゆりこ受験情報公式サイトは、https://itoyuriko.studio.design