保険に入った時期にも注意

 火災保険の確認とともに気をつけたいのは、保険に入った時期。

「金融ビッグバン(金融システム改革)により、2001年から金融商品が自由化され、選べるようになりました。それまでは、損保各社一律で同じ商品を販売していました。自由化以降、現在のように商品が多岐になりました」

 大きく変わった点として、保険金額の設定がある。

現在は、損害に遭った建物や家財と同等なものを新たに購入するのに必要な金額が補償される“再調達価額”が設定されています。

 2001年以前の保険は、(建物の)経過年数などから割り出す減価率を掛けたものが受取保険金額となります。極端な言い方をすれば1000万円でも減価率が2分の1なら500万円と半額になってしまうということです」

 つまり、古い火災保険の場合、家屋や家財の修理に必要な金額が全額補償されない可能性が高い。

 また、2001年以降に入った保険でも見直しが必要という。

損保会社か共済か、補償内容の違いで、いざというときにもらえる金額が10倍、20倍は変わってきます。場合によっては100倍違うこともあります

保険料再びアップも…10年契約がおすすめ

 損保各社は10月に保険料を値上げした。大きな要因となったのが、昨年7月の西日本豪雨災害。5万棟を超える家屋が被害を受け、風水災による保険金の支払いは、1兆678億円(日本損害保険協会調べ)にのぼった。

各社、建物の構造やエリアによっても異なりますが、値上がり率が約2割を超えたケースもあります

 台風19号では7万4000棟以上の家屋が被災した(10月25日現在)。

今回の影響で来年も値上がりは免れないでしょう。さらに2割程度、上がる可能性もあります

 10月の値上がりで補償内容はよくなったのかというと、

「補償内容は変わらず、オプション特約のサービスでカバーしているようです」

 保険期間は最長10年まで選べる。自分に合った保険をセレクトし来年、値上がりする前に長期契約をするのがベスト。しかし、どんな保険を選んだらいい?