それはズバリ、『コメント制限機能』の導入である。'17年からアプリに搭載されている機能で、“自分の投稿にコメントできるユーザーに対し、4パターンの制限をかけられる”というもの。コメント許可の対象を「誰でも」「フォロー中の人とフォロワー」「フォロー中の人」「フォロワー」のうちから選ぶことができる。アカウントをみた限りだと、彼女が選択しているのは4つ目。

画像下部の表示どおり、工藤静香のインスタには“コメント制限”がかけられている
【写真】ビジュアルインパクト大!? 工藤静香の“炎上レシピ”たち

 つまり、書き込むためには『工藤静香のフォロワーにならなくてはいけない』わけだ。アンチが猛毒コメントを吐き出すためには、彼女の人気(フォロワー数)の下支えをしなければならないという矛盾が成立してしまうのである。だからといって、わざわざフォローしてコメントだけ書き残してまたフォロー解除、というのもずいぶんと手間がかかる。

 ここで気になるのは、かねてから「静香がプロデュースに大きく関わっている」と報じられている次女・Koki,のインスタだ。炎上請負人・工藤静香の親心なのか、あるいは『ブルガリ』『シャネル』のアンバサダーとして活動しているからなのか、Koki,のアカウントは完全にコメントができない設定になっている

 それにも関わらず自分は、“フォロワーのみコメント可”なわけだ。そこにあるのは、アンチの声は聞きたくないが、応援してくれるファンからの「しーちゃん素敵!」は欲しいという承認欲求の強さなのかもしれない。

せき止められた悪意の行方

 そんなこんなで、アンチにとって『工藤静香のインスタグラム』という悪口のプラットフォームはなかなか使いにくいものになった。「静香を叩きたい」という情念はいったいどこへ向かうのだろうか──。

《工藤静香、風邪に「マスク着用」徹底を呼びかけ「マナーを守りましょう!」…過去にはマスク無しの咳に苦言も》(スポーツ報知)

 そう、彼女の投稿はいまだにネットニュースに取り上げられがちなのだ。10月30日に公開されたこの記事のコメント欄はやはりというべきか、ダークな活気であふれていた。

風邪をひいたり、予防の為にマスクをするのは当たり前だし、工藤静香がいちいち言わなくててもやっている

人に言う前に、自分でマスクして感染予防すればいいじゃん! てか、服装ダサ過ぎなんですけど。上着とかピンクのスニーカーとか本気であり得ない

 と、一時はアクセスランキングの上位にのぼるほど、アンチコメ・ビックウェーブが起こっていた。インスタからネットニュースへのネットサーフィンである。

 ただ、コメントの内容が少し強引すぎやしないだろうか。別にピンクのスニーカーを履いたっていいだろうよ。『インスタコメント制限』による不満感も手伝ってか、もはやアンチの行いは粗探しというか“粗作り”という進化系にまで到達したのかもしれない。

 アンチを抑圧することで静香の聖域は守られつつある。しかし、そのことが「もはや叩けりゃなんだっていい」という精神を助長させてはいないか。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉