町長室でキスをされた後、床に押し倒され、下着の中に手を入れられたという。

「町長は“声は出さないで”と言い、その最中は無言でした。嫌でしたが、すごい力で払いのけられなかった。愛情ある言葉をかけてくることもなく、ああ、こうやって服従させるんだな、弱みを握るんだな、と感じました。今後、裁判になると思うので具体的な行為を話すのは控えたいんですが、(男性器を)こすりつけられました」と新井氏。

 それほど長い時間ではなかったと記憶している。

憤慨する町長の言いぶん

'14年に町長の再選祝賀会で撮ったツーショット=新井氏提供
【写真】町長が新井氏のポケットに忍ばせた、告白ともとれる直筆のメモ

 なぜ、4年後のいまになって告発に踏み切ったのか。

「町長から“警察やマスコミとつながりがある”と聞いていたため、警察に行くのが怖かった。墓場まで持っていくつもりでした。ところが、今春の町議選で、町長は私を落選させるために動いた。それと、私のほかにも複数の若い女性に手を出した疑いがある。誰かが声を上げないと、いつまでも被害が続くと思ったんです」(新井氏)

 黒岩町長にも話を聞いた。

 '10年に町長就任後、観光客激減のピンチを立て直し、テレビ東京のビジネス番組『カンブリア宮殿』にも出演した辣腕町長。妻と娘がいる。

 問題の町長室に「どうぞ、どうぞ」と招き入れると、新井氏の言う行為が不可能な周辺状況を次々と説明する。

 部屋はガラス張りでカーテンは壊れているため閉まらないこと。すぐそばには交番があること。女性の来客時はドアを開けておく習慣があることなど……。そうとう憤慨している様子だった。

「新井氏が言っているのは全部つくり話。官能小説家になったほうがいい。余計なことを言って墓穴を掘っていますし、私が議会に町長室の特大写真パネルを持ち込んで“どこでその行為をしたのか”と指でさすよう迫ったら、オタオタして“証拠隠滅のため模様替えしている”と言って指でさせなかった。模様替えなんて1度もしていないんですよ」と町長。

 やおら立ち上がり、机の上に6枚の写真の拡大カラーコピー紙を並べ始めた。

 そこには2011年1月~2019年7月までの町長表敬訪問時などに撮影された室内が写っており、町長は取材時の室内と机や椅子のレイアウトが変わっていないことを示して言う。