スタッフの手作り『ねずみワールド』

 そして、いよいよ『ねずみワールド』の全貌が明らかに! ウッドチップのじゅうたんが敷かれた2m四方ほどのセット上には、子年をテーマにしたさまざまな仕掛けやオブジェが置かれ、白、黒、茶色のハツカネズミたちがあちこちで元気に駆け回っている。たしかに楽しげな、そして温かな世界が広がっていた。

ひと足早くネズミ年になった、手作り感あふれる「ねずみワールド」。東京五輪・パラリンピック時にはどうなる? 撮影/渡邉智裕
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「ほぼすべてスタッフの手作りなんです。季節ごとにテーマを決めて、それぞれがテーマに合うものを考えて制作しています。絵がうまいスタッフもいれば、工作がうまいスタッフもいますので、手分けをしながら1~2か月かけて制作しています」(松山さん、以下同)

 今は、来年に向けた子年バージョンになっているが、七夕やハロウィンなど季節やイベントを迎える際は、そのたびに新たに制作して模様替えをしているのだ。そんな苦労も知らないネズミたち。

「作ってもすぐに壊されることも(苦笑)。でも、使ってくれないのは嫌なので、壊されるくらいに遊んでくれるのはうれしいことです!」

 と、ここでネズミたちによる“綱渡り”が始まるとのこと。広場で子どもたちと遊んでいたハツカネズミたちが、次々と天井に張り巡らされたロープを登り渡っていく。一目散に、マイペースに、体が重そうに、道を間違えそうに、1匹1匹に個性があるのがおもしろい。彼らが帰っていくのはねずみワールドだ。

ロープを渡って「ねずみワールド」に戻るハツカネズミ。落ちないようにね 撮影/渡邉智裕

「ここは、ふれあいの仕事を終えたハツカネズミの休憩スペースなんです。本来、ネズミは立体的な動きをしたがる動物で、いろいろな小物を置くことで変化を楽しめますし、運動不足の解消にも役立っているんですよ。

 また、ハツカネズミをじっくり見られる機会はなかなかないので、こうして身体能力が優れている様子をお見せできれば、お客様も楽しくご覧いただけると思います。来年は子年を迎えますので、一層ネズミにチュー目してもらえればうれしいですね(笑)

 ネズミも来園者も夢チューになる小さな世界は、両者を思う飼育員一同のやさしさと温かさが作り出したものだった。─おや、鳥居越しに穴からひょっこり顔を出すネズミが。これはめでたい「初日の出」ならぬ、“ネズミの出”のお写真いただきました!