幅広い層にアピール

 比較的若い子が多いと注目されたKing & Princeですら、平均年齢は20歳を過ぎている。“バレーデビュー組”の時代とは違い、近年のジャニーズのデビュー年齢が、高めになっている理由に、どのような傾向があるのだろうか。スポーツ紙記者に聞いてみると、時代に合った問題を重視し、次のように言う。

「ひとつはコンプライアンスの問題ですね。昨年もHiHi Jetsの未成年メンバーがプライベート写真の流出で、年内謹慎処分を受けました。過去にも未成年の喫煙や飲酒で処分されたタレントはいましたが、現在はさらに厳しくなっている時代。リスク的にも、デビューは成人してからのほうがいいという判断があると思います

 さらにもうひとつ、ファン層や応援の仕方の変化もあるという。昭和や平成初期のジャニーズファンは、10代の女性が熱狂的に応援する姿が多かったが、昨今は30代、40代、もしくはそれ以上のファンがいることが当たり前になってきている。デビュー年齢の高齢化は、そんな時代背景に合わせている可能性もあると、前出の記者は続ける。

「以前はジャニーズアイドルは小・中学生にとって“憧れのお兄さん”的存在でしたが、ファンの年齢層の広がりを見据え、もう少し大人のほうがより広い層にアピールすることができます。

 そして、キスマイやキンプリ、SixTONESSnow Manもそうですが、Jr.時代にしっかりと一定のファン層をつかんでからデビューしたほうが、一定の数字も見込めて有効だという傾向があります。パフォーマンス面でも、未成熟な若さを押し出すよりも、K-POPやLDH系などに対抗した、クオリティーが高く大人っぽいダンスのほうが人気を集めやすいことも、理由のひとつだと思いますよ」

 一方で、結成12年で嵐のコンサートのバックダンサーも務め活躍を続けてきた、ジャニーズJr.のベテラン、MADEの解散が発表された。メンバーは、29歳、28歳が2人、27歳という4人組で、今回デビューした2組よりさらに年齢の高いグループだった。神田沙也加との交際が報じたれた、28歳の秋山大河以外は今後もジャニーズ事務所で活動を続けるという。

「Jr.の中には、ほかにも30歳を越えるメンバーが所属する宇宙Sixというユニットや、25歳や24歳のメンバーがいるTravis Japan、関西ジャニーズJr.にもアラサーJr.が複数います。彼らはダンスなどのパフォーマンスを評価されている実力派なので、デビュー組のバックとしても重宝されますし、単独公演もできる人気があります。彼らにとっては、独立や移籍するよりも、このままジャニーズにいるほうがいい仕事ができ、デビューの機会が巡ってくる可能性もある。在籍するメリットは大きいのだと思います」

 “アラサーデビュー”が当たり前になる時代、10周年のときにはすでにアラフォーだったりするが、今後ますますその傾向が高まる可能性は高い。

<取材・文/渋谷恭太郎>