不倫の法則(4) オバサンの不倫は叩かれない

 女優・斉藤由貴は『週刊文春』に医師との不倫を報じられました。男性が斉藤の待つマンションを訪れ、手を恋人つなぎしての映画デートなど、状況証拠的には「これは不倫してる」感マンマンだったのですが、会見で斉藤はあくまでも医師と患者との関係であると不倫を否定しました。しかし、『FLASH』に、二人のキス写真や医師が斉藤のものと思われる下着を頭からかぶっている写真が掲載されます。斉藤は不倫を認め、謝罪します。

 女優・藤吉久美子も『週刊文春』に50代のテレビ局プロデューサーとの密会を撮られ、号泣謝罪会見を開きました。

 ミス慶応を経て、NHKに入局した與芝由三栄(よしば・ゆみえ)アナウンサーは、映画監督と腰に手をまわしながら花見をし、マンションの一室に消えていったと『週刊文春』が報じています。二人とも既婚者ですから、W不倫です。

 が、この3人は休業に追い込まれてはいません。斎藤は大河ドラマや契約中のCMの降板はありましたが、その後も多くの仕事をしています。このように女優や女子アナといえども、オバサンの不倫は注目を集めないと言えるのではないでしょうか。

斉藤由貴の不倫に憧れを抱く女性も

 若くない女性の不倫に対し、女性は是非を問うのではない見方をするようです。斉藤由貴の不倫について、SNSで「あの年齢で、お医者さんと恋愛できるのがうらやましい」という書き込みがありましたが、女性の加齢に厳しい国だからこそ、オバサンで恋愛している人が尊敬されることもあるのです。

 鈴木杏樹もこのカテゴリです。「芸能人なのにオジサンと海できゃっきゃして、帰りにラブホによるなんて、若者みたいだな。よっぽど恋しているんだな」と思う人もいるでしょう。正面きって支持する人はいないけれど、それほど叩かれもしない。つまり炎上しない不倫になります。

 しかし、オバサンの不倫はおとがめなしと言っても、その女性の夫が有名人で愛妻家ウリしていたり、富豪だったりすると話は別になってくるのではないでしょうか。こうなると「うらやましい」を通り越して、「あんないい夫がいながら、不倫するなんてひどい、ズルい」とバッシングがものすごくなる可能性はあります。

 つまり、女性の不倫が叩かれるかどうかは、「ズルい」と「うらやましい」のさじ加減で決まると言えるのではないでしょうか。

 何かとリスクの大きい女性芸能人の不倫。それでも、やめられないくらい、甘美なものなのかもしれません。せめて、休業に追い込まれるような“ヤバ不倫”だけは避けてほしいと思うばかりです。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」