国生さゆり、長渕剛の奥さんと対面

 一方、おニャン子クラブ出身で、ソロでも『バレンタイン・キッス』をヒットさせた国生にとっては、ほぼ初めての男性スキャンダルだ。熱愛が事実なら不倫ということになり、マスコミは色めき立った。

 しかし、取材陣の前で長渕はこう言い放ったのだ。

「俺、一般常識の通用するようなところにいないから」

 当時、ドラマや映画でアウトローな役を演じて飛ぶ鳥を落とす勢いだった彼らしい発言だ。ちなみに、この数か月前には野村真美とのダブル不倫を激写された片岡鶴太郎が会見で「私のような男を頼りにしてくれる」とカッコよすぎる発言をして、コラムニストのナンシー関に、高倉健かよとツッコミを入れられていた。不倫自体、背徳的なものだから、渦中にある男性はアウトローっぽい自己陶酔感に陥りやすいのかもしれない。

 ところが、長渕は2年後、自らオチをつけてしまう。大麻で逮捕され、覚せい剤についても検査を受けたのだ。なんのことはない、彼もまた、法律という一般常識を反映させたルールのなかでしか生きられないひとりだった。

 そのとばっちりを食ったのが、国生だ。こちらにもクスリ疑惑が向けられ、窮地に追い込まれた。そこで、手を差しのべたのが意外にも志穂美だという。敵だったはずの女性のアドバイスで、彼女は会見を開くことにした。そして「尿検査を受けて無実です」としたうえで、

「長渕さんの奥さんと対面し、関係を清算することを約束しました」

 と、表明したのだ。あるいは、志穂美にすれば、夫と手を切らせる好機ととらえたのだろうか。

 その後、長渕は冨永愛とも不倫を報じられた。そんな彼の代表曲『乾杯』は今も結婚式でよく歌われている。

【2】葉月里緒奈(当時20) 「好きな人に奥さんがいてもいいじゃないですか」

 真田広之と葉月里緒奈不倫が発覚したのは、'95年。マニラへの2泊3日旅行を週刊女性がスクープしたことがきっかけだった。

 真田は'90年に手塚理美と結婚。しかし、映画『写楽』で共演した15歳下の葉月と恋に落ちる。そのとき、手塚は次男を妊娠中だった。スター俳優が身重の妻をさしおいて、若手女優に走るというのは、最近の東出昌大・唐田えりかに似たパターンといえる。

 が、発覚後の行動は対照的だ。特に葉月は、週刊誌などで「私が家庭を壊したんじゃない。付き合い始めたときには家庭は壊れていた」としたうえで「好きな人に奥さんがいてもいいじゃないですか」「オバサンが私のことを嫌いだと言っても関係がない」といった大胆発言を連発した。

 この開き直りは、'82年に糸井重里との不倫が発覚した樋口可南子のそれに通じるものだ。こちらは「妻子ある人を好きになったんじゃありません。その人にたまたま家族があっただけです」と言ってのけた。コピーライターの糸井が作ったのではと思うほど、キャッチーなフレーズである。