■二極化する私立小学校受験。入ってから気苦労しないために

 昨今、私立小学校受験を目指すご家庭は大きくふたつに分類されます。

 ひとつは、お母様が小学校から私立であり、母校かそれ以上の小学校を受験するご家庭。もうひとつは、大学受験でご苦労されたお父様と、学歴コンプレックスをお持ちのお母様のご夫婦です。

 そして、そのどちらの場合も、お父様のご意見よりも、お母様の見栄とプライドのために受験し、入学した学校内でも、保護者会などでお母様同士の横繋がりができるたびにマウンティング合戦が繰り広げられ、お互いに見下し合います。受験をするのは、お子様が今後受験に振り回されず、伸び伸びと育って欲しいから……などというのは上辺だけです。実際はお母様同士、ご主人のお仕事や出身大学、ご自身の出身地、出身の学校などで序列を付け、お互いの持ち物にまで常に目を光らせています。

 さらには、学校内で何かトラブルがあると、“○○さんのご家庭はご出身じゃないから”“あのご家庭はこの学校にふさわしくないご家庭なのにまぐれで受かった”などと言われ、挙句の果てには“何であんなご家庭を合格させてしまったのか? 学校側に疑問を感じる”といった話にまで発展していく場合もあります。

 繰り返しになりますが、学校選びや学校研究が一番重要です。

 中学と違って、幼稚園や小学校は親同志も密接な関係となります。とくに一貫教育校となれば、家族で食事や旅行に行く機会も増えてきます。入学後はお互いの家庭環境、経済状況が否が応にも関わってきますので、学校をしっかりと研究し、背伸びせず、ご家庭の身の丈に合った学校をお選びいただきたいと思います。

<著者プロフィール>
いとうゆりこ◎お受験コンシェルジュ&戦略プランナー。自身の経験から美容や健康・芸能・東京に関するマネー情報まで幅広い記事を各媒体で執筆中。いとうゆりこ受験情報公式サイトは、https://itoyuriko.studio.design