別の角度から見てみよう。

 占星術でもう1つ、彼の魅力を表す天体は月だ。月はその人の情緒や感受性を象徴する。和田雅成はこの月を蟹座に持っている。親しみやすく人懐っこい性格と、家族や生まれ故郷を大切にする姿勢はここから来ていると言っていい。茶目っ気のあるユーモアセンスもこれに由来する。

 彼は大阪の出身である。上京前、地元でショーモデルや舞台の経験を積む傍ら、たこ焼き屋さんでバイトをしていたという。そのご主人から様々なことを教えられ、人として育ててもらったことを彼はインタビューなどでよく口にする。ブレイク前のエピソードであるにもかかわらず、いや、そうであったからなおのこと、人との出会いを大切にし、親身になってくれた相手を心から慕い、感謝し、その言葉を“金言”として宝箱に入れているのだ。この感受性と優しさが演技に反映されないわけがない。

次の作品で魅力の扉をまた1つ開ける

 そんな和田雅成が、まさかの“悪人”を演じる。

 池袋に巣食う、タチの悪い情報屋。何もかも、全てがねじ曲がり歪んだ男、『デュラララ!!』の折原臨也(おりはらいざや)だ。

『デュラララ!!』舞台化の一報が飛び交ったとき、ファンの関心事の1つは折原臨也を誰が演じるのかだったと思う。大人気コンテンツの大人気キャラである。プレッシャーも少なからずあったのではないか。

 折原臨也はシャープでクールなキャラクターだ。ビジュアル的にはかなり近いと言える。公式サイトのキャラクタービジュアルを見てみると、うん、確かに。見事なまでに臨也が再現されている。

 だが、あの毒はどうだろう? 臨也のネジの外れた狂気を、和田雅成はどう演じてくれるのか楽しみだ。考えただけでもワクワクが止まらない。

 しかし新型コロナ感染拡大の影響で、舞台『舞台「デュラララ!!」~円首方足の章~』全公演の中止が発表された。非常に残念でならないが、公式発表では改めて上演の機会を持てるように取り組んでいきたいということなので、いつか上演された際には、その研ぎ澄まされたオーラとクールビューティなルックスを最大限に生かして、魅惑的な折原臨也を創り上げていることだろう。

 そして、和田雅成はもう1つ興味深いプロジェクトでメインキャラを演じる。テレビドラマ×舞台の連動プロジェクト『KING OF DANCE』だ。

 まずは4月11日に読売テレビでドラマがスタートし、夏には舞台の幕が開く予定だ。

 彼の役は、高野洸演じる主人公のライバルで、世界的なダンサーである父の死をきっかけにダンスをやめていた青年。ドラマな展開を予感させてくれる設定だ。持ち前の躍動感溢れるダンスと存在感で、魅力の扉をまたひとつ開けてくれるに違いない。

 これからも和田雅成の活躍から目が離せない。 


阿雅佐●占星術研究家・心理ナビゲーター。西洋占星術、血液型占い、タロットカードなど、古今東西の占いに精通。『CanCam』『PASH!』『anan』『JUNON』ほか年間100本以上の雑誌記事・Webコンテンツを執筆する恋占いのエキスパート。今までに鑑定した人数はのべ1万人に及ぶ。『スッキリ』『アッコにおまかせ!』ほか、テレビ出演多数。『おそ松さん占い』(主婦と生活社)ほか、約40冊の著書があり、小説『魔女たちの占いゲーム』(イースト・プレス)、『モデル マジック』(学研教育出版)を上梓(じょうし)するなど、作家としても活動している。
Twitter @agatchy
Instagram fortunenavigatoragatha