想像していただければわかると思いますが、身柄拘束が肉体的にも精神的にも与える影響はすごく大きい。仕事もできない。司法の手続きだけがどんどん進んでいって、自分たちはどうなるのか、ということをすごく悩んでいましたね。

 私の場合は、証拠が見つかり本人に報告をしているから多少、希望は持てたでしょう。ただ、そういう証拠が見つからない事件は多いです」

 証拠が見つかる以前、誤認逮捕された男性から、心細い心境を打ち明けられたことがあるという。

「『もう認めてしまったほうが早く出られるんじゃないか』と言ってました。でも、やっていないことをやったことにして弁護することは私にはできないから、嫌だと断りました」

女子大生が愛媛県警に求めたもの

 前出の女子大生は、百戦錬磨の刑事の取り調べにも屈せず、心を折らなかった。

私には前歴・前科もなく、本当にまじめに生きてきたつもりです」という女子大生が誤認逮捕されるという現実。女子大生は実名報道までされた。われわれ一般人にできることはないというが、

「弁護士が捜査の適法性については争っていくべきだと思うし、一般の方も逮捕報道を見ても犯人だと思わずに懐疑的な目で見てほしいと思います」(牛田弁護士)

 女子大生は手記で、

私のような思いをする人を2度と出さないためにも、口先だけの謝罪ですませるのではなく、今後どのような指導を行い再発防止に努めるのか具体的に公表してほしいです

 と要望している。

 誤認逮捕から約9か月たち、愛媛県警は、

犯人性を確認する捜査および裏づけ捜査の徹底。捜査幹部によるチェック機能の強化。警察本部によるチェック機能の強化。適切な取り調べ指導や教養の徹底をしている

 と、4つの改善点をあげた。頻繁にあることではないが、決してゼロにもならない誤認逮捕。警察だけでなく、われわれ一般人も正しく情報を得ることが必要だ。