世界に挑戦できる人材を育てるために

「留学生や帰国生、インターナショナルスクール卒業生が対象ですが、日本でも秋入学を導入する大学がかなり増えており、春と秋、年2回の入学が標準になりつつあります。秋入学のシステムはすでに整っているわけですから、高校生が春か秋の卒業時期を自由に決められるようにすることから始めれば、国内外含めた進学先の選択肢が広がります。

 実現のために多くの課題はありますが、学生が世界に挑戦するにあたって不利にならない仕組みを真剣に考える必要があります」

 ツイートの投稿者と同じ立場の高校生たちは今の気持ちをこう語る。

「9月新学期制については友達とも話しました。小学校の入学時期を半年遅らせるのが現実的なのかな? など、いろいろと考えています」

「このままだと修学旅行など、さまざまなイベントがなくなるかもしれないと思うと、寂しい気持ちです」

「本来あるはずだった私たちの学校生活や教育機会は保障されるのか、このままコロナウイルスが終息しない場合は受験の対応が変わるのかなど、きちんと決めて発表してもらいたいです」

「このツイートの9月新学期制が実現されることを私も望んでいます」

 ひとりの高校生のつぶやきは『#拡散希望』で広がり続け、いまでは『#9月新学期』『#9月入学』のハッシュタグも現れた。ツイッター上ではますます議論が活発化し始めている。

 世界中がかつてないほどの脅威に直面するなか、ピンチをチャンスに変えようとするこのメッセージが、不安や戸惑いを抱えながら日々を過ごしている学生たちに大きな勇気を与えていることは確かだ。「ただの高校生のつぶやき」で終わらせるかどうかは、政府の判断力と行動力にかかっている。