苦悩する300万人に救いの手を

【2.キャッチフレーズのテーマを決めよう】

 そもそも何についてのキャッチフレーズを作るのか考えていなかったので、テーマを決めていきます。せっかくならば、大勢の人に使ってもらえるよう、社会問題に切り込みたい……! そこで、ひとつのアイデアが浮かびました。最近、知人が愚痴を言っていた“オンライン飲み会 断りづらい問題”をテーマにするのはどうだろうか?

 外出自粛が推奨される昨今においては、パソコンやスマートフォンなどのビデオ通話機能を使って、離れた仲間たちと飲み会を開催する「オンライン飲み会」が大ブーム。私自身も体験したことが何度かあります。自宅にいながら気軽に参加できることや、自分のペースで安く飲めることなどメリットが盛りだくさんで、楽しく快適な時間を過ごしました。

 その一方で、苦しい思いをしている方々もいます。それは「オンライン飲み会を断りたい」という人たち。そもそも「飲み会」自体が苦手な人はもちろんのこと「普段はお酒を飲むのが好きだけど、このご時世でははしゃぐ気になれない……」などの意見も、ちらほらと見かけます。
 
 対面の飲み会であれば「予定がある」「体調不良」といった常套句(じょうとうく)で逃げ切れることもしばしば。しかし「今夜は約束があるから」と言えば「先約が終わったら参加して」と逃げ場を失い、「体調が悪い」と答えればあらぬ方向へ心配が及ぶというリスクもあり「リアルでの飲み会より回避するハードルが高い」と、苦悩の声が上がっているのです。

「そんなの普通に断ればいいじゃん」とおっしゃる方もいますが《オンライン飲み会 断り方》でGoogle検索をすると、なんと約3,000,000件もヒットするのです。そのくらい、キッパリと断ることができずに悩んでいる人が多いという事実がある……!

 ということで、この苦悩の日々に終止符を打つべく「オンライン飲み会についての注意喚起策」を急遽、打ち出すことに決めました。

【3.会見を開こう】

 先ほど分析した小池都知事の手法を駆使し、“オンライン飲み会断りづらい問題”に一石を投じるキャッチフレーズを一晩中、考えました。

 ここから、ちょっと記者会見ふうに紹介させてください。なぜなら、都知事っぽく振る舞ってみたいからです。

=======会見スタート========

 本日はよろしくお願いします。しりひとみと申します。一般企業に勤めるただのOLです。

 えー、昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、緊急事態宣言ならびに外出自粛の要請が出ているわけですが、外食をせずに自宅でオンライン飲み会を行う方が非常に増えており、これは自粛を促すという観点から見れば、大変喜ばしいことでございます。

 一方、オンライン飲み会を行う際にぜひ気をつけていただきたいのが「カタストロフ飲酒」です。「大惨事」という意味の「カタストロフィ」と、「飲酒」を組み合わせた造語となっております。

 オンラインでの飲み会は便利な反面、友達のパーソナル(※個人的)な部分に踏み込みすぎてしまう、といった危険性も持ち合わせています。適切なフレンズディスタンス(※友人との距離感)を守らなければ、フレンズブレイク(※友人関係の崩壊)を招き、最悪の場合、けものフレンズ(※怒りの感情で獣と化した友人)を生みかねないのです。これがカタストロフ飲酒の恐ろしいところです。

 そして、この忌々(いまいま)しきカタストロフ飲酒を防ぐための重要施策として、3つのT、すなわち「3T」を打ち出します。

 スッ……(ここでおもむろにフリップを取り出す)