「マスクを買う行列」「リーダーシップのない政府」「衛生への意識が高い」。コロナ禍の日本の対応は長年、生活している外国人にとっては驚きの連続。日本人が気づきにくい『常識』について4か国出身者が率直に明かした。

政府は説明不足。リーダーシップも足りない

■ビアンキ・アンソニーさん(アメリカ)

日本政府は国民への説明や情報提供が足りない。国の対応には疑問も残ります。例えばオリンピック延期後に急に緊急事態宣言が出たこと。意図があったか偶然かはわかりませんが、説明が曖昧だから“何か隠している”とか言われてしまうんです」

 特にリーダーシップの弱さについては危惧している。

「私の出身地のニューヨーク州では、知事が毎日テレビで状況を説明しています。悪い状況でもすべて。日本ではこうした説明も、国民と一緒に困難に立ち向かうという姿勢もリーダーから感じられません。リーダーシップは政治の役割でもあると思います」

 さらに医療体制についても指摘。ICU(集中治療室)などの数が足りない現状にも驚いたという。

「こうなることを予測したうえで、当初から規模を増やしたほうがよかった。現在、発表されている感染者数はほかの国と比べたら少ないですよね。でも医療崩壊一歩手前とも言われています。これは準備不足を表しています」

 一方、よかった点は「国民の心がけ」だと話す。

「日本人の感染症対策への意識の高さを実感しました。日本人は政府からちゃんと情報と指導があればきちんと守ると思うんです。政府の対応策は一般人の日常生活とちょっと離れているように思います。納得できなければたまには反発したほうがいい。多くの国民が求めていることならみんな協力すると思います」

ビアンキ・アンソニーさん(アメリカ)

 アメリカも依然として感染拡大が続いているが、

「アメリカ人は非常事態にはとても強い。民族、宗教、人種、さまざまな人がいるので普段は摩擦もあります。でも非常事態になれば一瞬で団結して危機を乗り越えようという勢いがある。これはアメリカが移民の国であることに由来しています。ようやくできた居場所なのでそれを守る、という意識があるんですよ」

ビアンキ・アンソニーさん◎ニューヨーク市出身。テレビ制作会社に勤めたのち、1989年来日。文科省の外国語指導助手や愛知県、同県犬山市教育委員会に勤務。日本人女性と結婚後、日本国籍を取得。2003年から5期、犬山市議に当選。’17年5月より2年間、議長も務めた。現職。