ドラッグストアの行列が危ないのでは?

■石野シャハランさん(イラン)

「日本には国民に強制的に外出を禁止する法律がないので(自粛要請は)しかたがないことだと思っていますし、個人の権利を制限するような法律がないことに、この国の民主主義を感じました。非常に素晴らしいことです」

 と評価する一方で、政府の姿勢については苦言を呈す。

「日本のリーダーたちの会見を見て思ったことは、言い方が遠まわしで必要以上に丁寧なこと。一体なにを話したいのかがわかりにくい。表情や声のトーン、ジェスチャーも優しいんですよね。これでは切迫感が伝わってこない」

 特に驚いたのは、マスクなどを求めて行列を作る日本人たちだった。

「マスクやトイレットペーパーを買うために長時間並んでいる姿にはちょっとびっくりしました。“そっちのほうが感染のリスクが上がるんじゃないかな”と、行列を見て思いました。日本はITやテクノロジーの国だと思っていたので、もっとほかのやり方ができたのではないのかと思いました」

石野シャハランさん(イラン)
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 イランではこうしたパニックはほとんど起きないそう。

「イランイラク戦争やその後も10数年、経済制裁をされているので国民はパニック慣れしているんですよね。数日、混乱してもすぐに元に戻ります。今回の新型コロナウイルスにしても、すぐに日常になってしまうんです」

 イランでも感染拡大が続く。都市間の移動の禁止などの措置はとられているが、集まるのが好きな国民性や、経済制裁により国内の医療機器や物資が不足していることも関係があると推測できる。

 最も危惧していることは日本経済の低迷だ。

「私も個人で仕事をしていますので、これがおさまらないと前に進めない。そして倒産する企業を1つでも少なくできるように努力しなくてはいけない。おさめるために期間を決め外出を控えないと。ダラダラやっても、そのしわ寄せは国民に来るんです。国民も政府も努力し、協力し合っていかなければいけません」

石野シャハランさん◎日本企業の異文化コミュニケーションの指導・コンサルをする『シャハランコンサルティング』代表。’02年来日。日本人女性と結婚、日本国籍取得。Twitter@IshinoShahran