環境激変でスモーカーはどうしたらいい?

 一方、家に帰っても喫煙の場所はなくなりつつある。ひと昔前は家族の迷惑になるからとベランダで喫煙する人を「ホタル族」などと呼んでいたが、ベランダ喫煙を管理組合で禁止するマンションが増え、室内での喫煙を求められている。
 
 賃貸住宅の場合は、屋内での喫煙を禁止しているところも。

「契約で室内禁煙の決まりになっているので、ベランダで紙巻きたばこを吸っています。ベランダに面する隣人から注意されたことはまだありませんが、内心ビクビクしています」(東京都・30代・会社員)

 屋外でも屋内でも行き場を失ったスモーカーたちの取るべき行動とは? 喫煙歴35年、紙巻きたばこから加熱式たばこ、葉巻などさまざまなたばこを試しているライターの清水りょういちさんに話を聞いた。

このご時世、煙やニオイの強い紙巻きたばこを吸っていると、行き場を失うのはしかたないこと。いつでもどこでも紙巻たばこを吸う時代は終わったんだと思います。非喫煙者の迷惑になるのはいうまでもなく、自身の健康の問題や火災の心配もあります。とはいえ、禁煙しようと思ってもすぐにできるものではありません。ルールを守りつつ、妥協点を見つけるしかないと思います」(清水さん、以下同)

シーンに合わせてデバイスを使い分け

 紙巻たばこを吸う場所を探すよりも、加熱式たばこ、嗅ぎたばこ、電子たばこなど直接火をつけない次世代たばこに切り替え、使い分けることがスモーカーの生きる道だと清水さんは語る。

これからは、シーンに合わせてデバイスを使い分けることが必要です。例えば私は、外出先では加熱式たばこ、長時間の移動中は嗅ぎたばこ、家でくつろぎたいときは葉巻など、TPOに合わせて変えています。電子たばこは日本ではニコチンを入れられない決まりなので、ここではたばことは区別しておきます」

嗅ぎたばこ。粉砕したたばこ葉が入った小さな袋を頬と歯茎の間に挟んでニコチンを口腔内で吸引する。ミントやバニラなど、多くのフレーバーが発売されている
【写真】さまざまな種類が発売されている、煙の出ない「噛みたばこ」

 耳なれない「嗅ぎたばこ」とは、小袋にたばこ葉を詰め込んだものを、口に入れ口内粘膜からニコチンを吸収するたばこ製品だ。

 そして現在、次世代たばこの主流となっているのが加熱式たばこ。たばこ葉を燃やさずに加熱して吸入する方式だ。

「ポイントは高温加熱型にするか低温加熱型にするかの選択だと思います。高温型のほうがガツンと吸いごたえがありますが、ポップコーン臭という加熱式たばこ独特のニオイが気になることもあります。低温型はマイルドですが、ニオイはほとんど気にならず、家の中で非喫煙者の妻の横で吸っても、ほぼ無臭レベルだと言われます。吸っている途中でオフにすることができるので使い勝手もよく、私は低温型派です」

低温型の加熱式たばこ『プルーム・テック・プラス』

 紙巻きたばこに比べて加熱式たばこは有害物質がカットされており、スモーカーの健康への影響も少ないという。また、低温型の加熱式たばこは、カートリッジ方式なので街のポイ捨ても少なくなくなるのではないかと清水さんは語る。

 また改正健康増進法の全面施行に伴い、加熱式たばこ専用喫煙室を設けている飲食店もある。

「この機会にいろいろと次世代たばこを試してみるといいと思います。自分に合ったスタイルを見つけるのも楽しみのひとつですよ」
 
 喫煙によるくつろぎ、リラックスを心の支えにしている人は多いだろう。求められるのはスモーカー、ノンスモーカーお互いにとって心地いい行動様式だ。スモーカーはコロナ禍を機会にデバイスで喫煙スタイルを変えるのも手かもしれない。