春の訪れとともに、多くの人を悩ませる花粉症。その対策として、鈴木憲和農林水産大臣が20年生以上のスギ人工林を減らす計画を発表した。現在およそ431万ヘクタールある対象林を、今後約2割削減する方針だ。
小池百合子知事の“花粉症ゼロ公約”も
鈴木大臣は3月5日、X(旧ツイッター)で花粉症対策について《花粉がキツイこの頃。私も花粉症……涙。農林水産省では、まずは、花粉が多くなる20年生以上のスギ人工林を431万haから2割減少させます。年間伐採面積を5万haから2033年度までに7万haまで増やし、花粉の出ない杉を植える等の対策を講じます。地道な取組ですが、少しでも進むよう努力します》とポストした。
自身も花粉症であることを明かしながら、対策の必要性を訴えた形だ。
この取り組みについて、全国紙政治部記者はこう分析する。
「政府はここ数年、花粉症を社会問題としてとらえ、発症対策・発生源対策・飛散対策の三本柱で取り組みを進めています。特にスギ人工林の更新は長年の課題でした。今回の計画は、伐採を進めながら花粉の少ない品種へ切り替えるという意味で一定の前進と言えるでしょう。ただ、森林政策は結果が出るまでに時間がかかります。国民が“花粉が減った”と体感できるようになるまでには、長い道のりがあるのが現実です」
花粉症は、いまや日本人にとって“春の風物詩”とも言われるほど身近な存在だ。くしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状は日常生活の質を大きく下げるだけでなく、仕事や学業のパフォーマンスにも影響すると指摘されている。
「日本の花粉症患者は推計4000万人以上とも言われ、まさに“国民病”と呼ばれる状態にあります。医療費だけでも年間約3600億円にのぼるとされ、社会全体に与える影響も小さくありません。そうした背景があるからこそ、今回の政府方針は多くの国民の関心を集めると思います」(同・政治部記者)
実際にこの方針が公表されると、X上では「非常にありがたい。当時植えた面積の半分を植え替えできるなら大きな進歩では」「たぶん、2割減少程度では誰も効果を実感できないと思う」「地道すぎて現役世代は誰も救われない」期待と同時に懐疑的な声が広がった。
こうした反応の背景には、2017年の東京都知事選挙で小池百合子氏が掲げた公約の存在もあるとみられる。
「小池知事の“花粉症ゼロ公約”は大きな注目を集め、当時は《花粉症対策が本格的に進むのではないか》と期待する声も多くありました。しかし、その後も花粉の飛散量は年によって増減を繰り返し、状況が改善したとは言い難いのが現実です。春になるたびにマスクや目薬が手放せない人も多く、“花粉症ゼロ”はまだ実現には至っていません。そうした経緯もあるため、今回の政府方針についても期待と同時に懐疑的な声が出ているのだと思います」(前出・政治部記者)
毎年のように続く花粉との戦い。4000万人ともいわれる花粉症患者にとって、今回の政策が本当の意味で“春の救世主”となるのか――。






















