“やっとけばよかった、助かったのに”

 病院は感染リスクがあるので、なるべく行きたくない、少し体調が悪いくらいなら、市販の常備薬で治したい、という人も多いだろう。そんなときに注意すべきことは?

例えば熱ならこれ、頭痛ならこれ、と1症状に対して薬は1種類だけにすること。それで症状が改善しなければ、医師に相談を。自己判断で複数の薬を使うと別の症状が出ることがあり、正しい病気の診断ができにくくなります」

 持病がある人で、同じ薬を長い間使っていて症状が安定している場合は、普段より多めに薬を処方してもらい、病院に行く回数を減らすのも手。

こういう時期ですので、通常1か月分の処方を2か月分にするなど、病院も臨機応変に対応していますただし、少しでも体調や症状に変化が出たら、すぐ受診を

 電話やオンラインでの診療も、積極的に活用したい。特に自分や家族に、コロナウイルス感染症が疑われる症状が出た場合は、いきなり病院に行くのではなく、かかりつけ医に電話やオンラインで連絡をしてほしいとのこと。

「以前に比べると、かかりつけ医からPCR検査への移行がしやすくなっているので、安心して相談してください」

 どんな病気の場合でも、電話やオンライン診療のときは、事前に熱や血圧を測り、使っている薬やアレルギーの有無、困っている症状をまとめておくと、よりスムーズだ。

 食料と日用品、生活環境、医療面、それぞれ備えに対するアドバイスは参考になっただろうか。最後に、コロナ禍だけに限らず、役立つであろう言葉を紹介しておきたい。

リスク管理は“いろいろ準備していたけど結局、使わなかった”という空振りが最上なんです最悪は“やっとけばよかった、助かったのに”。これを胸に置いて、準備をしておきましょう」(戸村さん)

(取材・文/秋山圭子)

●正確な情報収集に役立つウェブサイト(新型コロナウイルス感染症関連)
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
日本環境感染学会「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について」http://www.kankyokansen.org
農林水産省「緊急時に備えた家庭用備蓄ガイド」の備蓄例
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/gaido-kinkyu.html