“呼吸”で内臓を刺激する!

 さらに「呼吸」についてもゲッタマンは、

人のカラダに刻まれたリズム(概日リズム)が乱れると、呼吸が浅くなり、呼吸数は増えます。最近の研究では、呼吸数が多いとカラダは緊張モードになり、体温・基礎代謝・免疫力ともに低下。肩こりや冷え、不眠などになるといいます。逆に呼吸が深くなるとカラダの不調は改善され、インナーマッスルもしっかり動いて内臓力が高まるのです」

 しかし、現代人の多くは、食生活の変化で内臓は疲れきり、呼吸も浅く回数が多くなっている。これを改善して“やせるカラダに導く”ために必要なのが、内臓を支え、呼吸と連動したインナーマッスル(体幹)の強化だ。

「インナーマッスルは本来、カラダから両腕両脚を除いた部分をいいますが、『ももクロゲッタマン体操』では“カラダのいちばん深層にある筋肉”を指しています。

 特に、多裂筋を中心にした“姿勢保持筋”と、横隔膜・腹横筋・骨盤底筋を称した“内臓保持筋”は、ダイエットに重要です

 例えば、呼吸にはインナーマッスルの“横隔膜”が作用します。息を吸うと横隔膜は下がり、吐くと上がる。この上下の動きが呼吸力を高めて内臓を穏やかに活動させ、基礎代謝アップに通じるのですが、カラダのゆがみで横隔膜がずれていると、横隔膜は動きがとれません。

 息を吸っても、息が入るすき間がない。特に女性は腹式呼吸より胸式呼吸になりがち。やせにくいカラダになっている一因でもあります

内臓力をUPには多裂筋を鍛える

 “多裂筋”は背骨をサポートするように、背骨にぴったり沿って走っている。

多裂筋には骨盤を引き上げて骨盤を安定させ、内臓を支える役目があります。でも問題は、この筋肉が硬く、過緊張状態にあること。下のイラストで、背骨の構造を見てください。背骨は上から、頸椎7本、胸椎12本、腰椎5本の骨からなります。首はぐるぐるまわり、腰は前後左右に動き、ひねることもできるので、頸椎、腰椎は動かして、こりをほぐすことはできます。

 でも胸椎は、肋骨が鳥かごのように、大事な内臓を覆って守っているため、動きがとりにくくなっています。背骨同様に、胸椎にくっついた多裂筋は動きがほぼなく、固まった状態です」

きれいなSの字が描かれたとき、耳、肩、くるぶしは一直線になっている
きれいなSの字が描かれたとき、耳、肩、くるぶしは一直線になっている
【写真】姿勢抜群! 百田夏菜子の『ももクロゲッタマン体操』の様子

 このインナーマッスルをほぐして美姿勢にすると同時に、三位一体で内臓力、呼吸力もアップさせるのが『ももクロゲッタマン体操』だ。そのポイントは、

●内臓力アップ……疲弊している内臓を休ませながら回復させ、基礎代謝を上げる。

●呼吸力アップ……横隔膜を動かす正しい呼吸で内臓を刺激する。

●インナーマッスル強化……カラダの最奥にある筋肉で内臓を支える。

 今回紹介するのは『ももクロゲッタマン体操』の基本となるもの。内臓を支える骨盤のゆがみを整えながら、インナーマッスル全体に刺激を与える強烈全身エクササイズだ。1日にたったの5分。実際にやってみるとわかるが、簡単で、わかりやすく、奥深い。慣れてきたら、ほかの『ももクロゲッタマン体操』についてもチャレンジしてみよう。