《臨時休業のつもりがそのまま閉店 飲食店の休廃業相次ぐ》

 6月5日付の朝日新聞デジタルにおいて、新型コロナウイルスの影響により休業や廃業を選ぶ飲食店が相次いでいることが報じられた。臨時休業を予定していたが、事業再開を諦めてそのまま閉店するケースも目立っているという。

《誠に勝手ながら2020年5月31日(日)をもちまして閉店させていただくことになりました。謹んでご挨拶を申し上げるとともにご愛顧賜わりましたことを心よりお礼申し上げます》

 大阪きっての繁華街・心斎橋エリアにあるイタリア料理店も閉店することを決めた。1997年6月19日にオープンした同店は約23年の歴史に幕を閉じたのだ。

「このお店は『SOGNI di SOGNI(ソーニ ディ ソーニ)』といって、開業まもない大阪ドームの前に初の店舗を構えました。ピザ窯を本場イタリアから輸入し、食材や食器のひとつひとつにこだわっていたようです。そんな本格イタリアンを楽しめる同店の“オーナー”は郷ひろみさん。

 当時は本人はもちろん、二谷友里恵さんやそのご両親もよくいらしてましたよ。芸能人のお客さんも多く、またドームということでプロ野球選手も贔屓(ひいき)にしていましたね」(在阪テレビ局プロデューサー)

 2003年に心斎橋に移転すると“郷ワールド”全開。地下にして開放的な吹き抜け空間が広がるフロアに年代物のシャンデリアを吊ったゴージャスな雰囲気は、まるで中世ヨーロッパの宮廷。それでいて1000円でランチを楽しめるカジュアルイタリアンとしてファン、そして地元にも長らく愛されるお店となった。

“鉄人”と対決した名物シェフ

 20周年を迎えた2017年にはアニバーサリーパーティーを開催し、郷も駆けつけている。並んで挨拶をしたのはオープン以来、総料理長として場を仕切っている米田裕道シェフ。

「実は米田シェフ、1998年に“郷ひろみオーナーのレストランを取り仕切る男”として『料理の鉄人』に出演しているんですよ。当時の鉄人で“日本イタリアンの巨匠”と呼ばれた神戸勝彦シェフ(昨年に他界)に惜敗したものの、審査員で食生活ジャーナリストの岸朝子さんも“大変美味しゅうございました”と米田シェフを絶賛。郷さんと二人三脚で店を守ってきたんですね」(前出・在阪テレビ局プロデューサー)

 そして翌2018年に店舗を1階に移して再リニューアル。目の前で調理が行われるオープンキッチンを採用したスタイリッシュな空間が広がり、米田シェフも存分に腕前を発揮できる創作イタリアンに生まれ変わっていたようだ。