京都で先月行われた人種差別反対デモには1000人の参加者が集まった
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「美白」が与える絶望的なメッセージ

 アフリカ系の子どもたちにとって「違い」から募る疎外感、孤独感は、大人が考えるよりも深刻だ。

 プロ野球・オコエ瑠偉選手は幼少期に、『みにくいアヒルの子』の絵本をきっかけに周囲との違いを痛感した体験をツイッターで明かし、話題を集めた。実は、星野さんのマンガにもよく似たエピソードが登場する。褐色の肌をめぐるイメージに思い悩む子どもたちは少なくない。

「見た目に関する悩みは男の子にもあるものの、女の子のほうが、よりきつい。例えば大人はキャッチコピー的に“美白”と言うけれど、白は美しくて黒は醜いの? と、子どもにとっては絶望的なメッセージに感じられるんです」

 たとえ悪意がなくても、結果的に傷つけたり、不平等な扱いになったりする。そこに差別問題の難しさがある。

「積極的に攻撃してやろうとか、傷つけてやろうと思うような激しい差別は、ヘイトスピーチに走る過激派は別にして日本にはあまり多くないと思う。知識や情報がなく、違う肌の色やルーツを持つ人たちとどう関わっていいかわからず、誤解から生じるような差別が大半なのでは?」

 アメリカで黒人男性が警察官に首を押さえつけられ死亡した事件を受けて、日本でも黒人への暴力に抗議するデモ「ブラック・ライブズ・マター」(黒人の命を軽んじるな)に賛同する動きが目立つ。

「男だとか女だとか、黒人だとかっていう“属性”をもとに自分が描くイメージは、基本的に間違っていると思ったほうがいい。実際に見て、話してみるまでは、どんな人のこともわからないと思って生きてみる。その謙虚さがいちばん大事なんだと思います」