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ー 『ケンタッキー』のCMが過剰なまでのシズル感
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ー 宇多田ヒカルさん出演のCMでも

 

 回転寿司店などでの“ペロペロ”が迷惑行為として社会問題となったのは'23年ごろ。それらとは事情・状況が異なるが、同じ“ペロ”で……。

「飲食関係のCMでは、“シズル感”と呼ばれる、食欲や購買意欲を刺激する描写、演出が古くからあり、今に至るまで強調されることが多々あります」(広告代理店関係者、以下同)

『ケンタッキー』のCMが過剰なまでのシズル感

過剰なまでの咀嚼音でチキンをむさぼり、手についた肉を指ペロ(「ケンタッキーフライドチキン公式YouTubeチャンネル」より)
過剰なまでの咀嚼音でチキンをむさぼり、手についた肉を指ペロ(「ケンタッキーフライドチキン公式YouTubeチャンネル」より)

 それは自社製品をより良く伝える手段。もちろん売り上げや話題につながり功を奏すときもあるのだろうが……。

「YouTubeでは6月4日より公開され、テレビでもオンエア中の『ケンタッキー』のCMが過剰なまでのシズル感的な演出で……」

 CMは『創業記念パック「THE SIZZLE」篇』というもの。タイトルからシズル感を重視している。

「若い女性が夜に自宅で1人、ケンタッキーを食べる。CMとしてはそれだけです。ただ、“今宵、私は野性に返る”というナレーションのとおり、女性はチキンをむさぼるように食べ続けます」

 チキンを手づかみで、がっつく。舌は脂でテカり、手もテカり、衣などがつく。

「手についた衣を指をくわえてペロッと舐める。それぞれはやたらに女性の口元を接写しています。脂が飛び散っているのが映るほどに。チキンを噛む咀嚼音は過剰なほどに入っています」