警察、JR東日本の対応は

 なんとか、犯人を捕まえる方法はないものか。

 考えた末、Aさんは被害届を出そうと、新宿警察署に相談。だが、「おそらく届けは受理されない」と言われてしまったという。なぜなら彼女は身をかわしており、被害を受けたとはいい難いからだ。そう、彼女は恐怖を味わったが、直接の被害は受けなかった。何もできないことを、Aさんは悔しがる。

 だが、駅の周辺には防犯カメラがある。Aさんが男に遭遇したのは、改札に近い商業施設(ルミネ2)の入り口。ということは、おそらく複数のカメラに男の映像が残っているはずだ。そこから、犯人の行動を特定できるのではないか。

 JR東日本に問い合わせると、「警察からの要請があった際には、防犯カメラの映像を含め、必要な資料を提供するなど協力をしている」との回答を得た。ということは、もしAさんが実際に男の体当たりを受け、被害届が受理されていれば、防犯カメラの映像を見てもらえた可能性があるわけだ。

 Aさんは「今後『ぶつかり男』に体当たりされた人は泣き寝入りせず、警察に被害届を出すことを考えてほしい」と話す。過去に被害を受けた人も、相談してみる価値はあるかもしれない。このまま放置すれば、被害者は増えるだけだ。もし転倒させられて打ちどころが悪ければ、大けがをする人や命を落とす人も出かねない。

 もちろん相談先は警察だけではない。被害を受けた際に駅員が近くにいる場合は、すぐ駅員に相談すればよい。JR東日本広報部からは、下記のようなアナウンスがあった。

「このような行為は弊社としても許しがたいものと考えており、お客さまに安心してご利用いただくため、社員や警備員などによる巡回のほか、鉄道警察隊と連携し、駅構内や車内の秩序維持に努めております。何かあれば駅社員等に申告いただければと思います。こういった行為を認めた場合には、毅然と対応いたします

 最後に、今回Aさんは怒りの感情のままに男を追いかけ写真を撮ったが、こうした行為は男を逆上させる可能性もありとても危険といえる。ひとりで解決しようとせず、まずは声を上げることから、そして被害に遭った際は警察や駅員に相談することから始めてほしい。