「推し活は、“擬似恋愛”のひとつです。擬似恋愛は、妄想やバーチャルで恋愛をしているかのような感覚を味わうことです。アイドル、芸能人、キャラクターに、想像上の恋人になってもらい“脳内彼氏”をつくることとも言えます」

 そう語るのは美容皮膚科医・百枝加奈子先生。今回は、愛する「推し」がいることによる健康&美容効果についてお話をうかがいました。

推し活で『美肌ホルモン』が分泌!

「女性は、恋をすると女性ホルモンの『エストロゲン』の分泌が活発になります。実は、擬似恋愛でもエストロゲンが分泌されることが明らかになっているんですよ。エストロゲンは別名『美肌ホルモン』とも呼ばれ、美肌をつくる働きや髪の毛を美しく保つ働きなどがあります。さらにエストロゲンが分泌されている時期の女性は活動的で前向きな気持ちになります。『幸せオーラを放っている』とも言い換えられますね」(百枝先生、以下同)

 推しとは擬似恋愛! ならいろいろ効果があるはず。

恋をしているときはさらに“ドーパミン”という伝達物質も分泌されます。ドーパミンの分泌はエストロゲンにサポートされているため、閉経でエストロゲン量が減少すればドーパミン分泌も減り、やる気は出にくく行動力も落ちてしまいます。推し活を通じてドーパミンが分泌されれば、やる気はアップしますしボケ予防にもつながります。また、ドーパミンは満腹中枢を刺激することでも知られています

 そういえばよく「好きな人のことを考え食事がのどを通らない」と言いますよね?

「これは、ドーパミンが満腹中枢を刺激し、食事をとらなくても満腹だと感じてしまうからなんですよ。ドキドキすることで、緊張感が増して代謝も上がるので、脂肪燃焼しやすい身体にもなります」

イラスト/柏屋コッコ

 ダイエット効果もあるとは! ほかにもいいことは?

ドーパミンは、やる気を巡らせて前向きな好循環を生むガソリンとも言えます。ドーパミンがたくさん分泌されるのは脳がいい状態にあるということです。高齢になってもはつらつとしている方は、ドーパミンが分泌されている証拠。目の輝きが増し、自然と笑みがこぼれて周囲に生き生きとした印象を与えるので、人間関係も好転します。結果的に、自己肯定感が高まり、自信や充実感も増すと言われています。

 また、ドーパミンは分泌した回数が多いほど、よく出るようになるんですよ。推し活を始めたばかりの人はドーパミンの作用によって高揚感が続いている状態ですが、推し活が長い人も決して心配することはありません。長年のファンは『やすらぎホルモン』と呼ばれるセロトニンが分泌されるので、心穏やかで幸せな気持ちになれます」

百枝加奈子先生 銀座肌クリニック院長。美容医療において20年以上の経験を持つ医学博士。健康百寿協会理事長、スリムビューティハウス顧問としても活躍。