メディアが忖度しても情報は消えない

 確かにかつて、近藤のデビューとその後の活躍によって、ジャニーズ事務所の窮状が救われたことはあったが、それは1980年代の大昔の話。現在の事務所副社長の滝沢秀明氏が生まれたころの話だ。

 事務所はマッチの恩にこたえる形で、わがままを許した。タレント活動の一方で始めたレーシングの日程を、タレント活動より優先できる特権を手に入れた。近藤はあまり働かないタレントに成り下がったが、ジャニーズ事務所の稼ぎと庇護のもと、アイドル時代同様の暮らしを手に入れ続けている。

ジャニーズ事務所も、マッチが全盛のころとは規模も収益も違う。タレントの数も違う。何より実権が、自分の後輩だったタッキー(滝沢秀明副社長)に移っている。所属タレントの不祥事に厳しく当たってきた滝沢副社長が、マッチだけは別格、というわけにはいかない。

 とはいえ、表立って処分もできない。このまま世間の関心が消える時代でもない。ジャニーズ事務所と滝沢副社長は、非常に微妙なかじ取りをしなければならない。どう始末をつけるのか、頭が痛いでしょうね」(前出・情報番組デスク)

 滝沢副社長が、ドラスティックにマッチ斬りができるのか。このまま不満分子を内部に抱え続けるのか。マッチはこのまま、Aさんとの交際を続けるのか。家庭はどうなるのか。

「アイドルの卵やその親御さんに対しても、ジャニーズ事務所はちゃんとしているというところを見せないといけない。メディアが忖度したとしても、情報は消えない。週刊文春は実際、発売されているわけですからね。ジャニーズ創業者に愛され、古くからいる幹部社員たちにも気に入られているマッチですが、自分で何らかの決断をする可能性も否定できませんよ。昔の言い方であれば、腹を切るような、ね」(前出・情報番組デスク)

 メディアの後追いの口を防げても、事実は消えない。25歳年下の女性に溺れ続ける近藤の退所、ではなく対処が見ものだ。

〈取材・文/薮入うらら〉