今はネット番組やユーチューブばかり話題だけど、昔はみんなテレビにかじりついていた。お茶の間を沸かせたあの人気番組って、裏ではイロイロあったんじゃ!? 当時は語れなかった秘話を当事者たちに聞いてみた!!

『さんまのスーパーからくりTV』
コーナー司会・鈴木史朗

「ファー、ファッ、ファー」

 明石家さんまの特徴的な引き笑いがスタジオに響き渡る。

 '92年から'14年まで続いた『さんまのスーパーからくりTV』(TBS系)の人気コーナー『ご長寿早押しクイズ』で飛び出す珍回答に、さんまだけでなく、お茶の間でお腹を抱えて笑った人は少なくないはず。

全国388か所で撮影しました。移動はほとんどロケバスです。毎回、往復で6時間。着いたら撮影は3~4時間かかるわけです。毎週のことですから、疲れてしまって。撮影は本当に大変でした

 よく通る、落ち着いた低音ボイスでそう語るのは、長年にわたり司会を務めた鈴木史朗(82)。青のジャケットに四角いメガネ。いくぶん皺は増えたけれど、誠実で優しそうな姿は変わらないまま。

 同コーナーはおじいちゃん、おばあちゃんに鈴木が出す問題を早押しで答えてもらうもの。シンデレラが忘れたものは? と聞けば「パンツ」と答え、パンダの好物は? と聞けば、葉っぱだけに「ハッパ、ロクジューシ」と答えたり。全然関係ないことまで話すなど、やりたい放題。

 ただ、あまりにも突飛な回答が多いけど、ヤラセだったりしたんじゃないの?

ヤラセはいっさいありません。台本なんかないですよ。あっても、おじいちゃんおばあちゃんに台本は覚えられませんから。進行だって聞いてくれないんですから……

 この人気コーナーがスタートしたのは'94年のこと。鈴木にオファーが来たけれど、最初は断ろうとした。

私も古い人間ですから“お年寄りを笑いものにするとはけしからん!”とディレクターに言ったんですよ。でも“1回だけやってみてください”と食い下がるので、1回だけ引き受けたんです。それが実際にやってみると、お年寄りがみな、喜んでくれる。これはいいかもしれないと続けることにしました