今から格安スマホに乗り換えを検討

■その他……シニアにマッチしない保険・スマホはやめる!

 家計を膨らませている固定費も年金生活を見越して縮小していくのが望ましい。

 保険の払い込みの多くは老後に終わっていると思われるが、いま入っているもの、特に高額な死亡保障は見直しをして老後資金を確保。

子どもがすでに自立しているなら、生命保険の死亡保障は、お葬式代が出る程度で十分。損しないタイミングで解約して手放してもよいかもしれません。また、終身払いタイプの医療保険、介護保険は必要なものだけ残すよう仕分けしましょう」(藤川さん)

 通信費も要チェック。年齢を重ねると電話やメールをする機会が減るので、実はシニアこそ格安スマホがマッチ。

 問題がなければ、今のうちに切り替えておけば、それだけで月5000円ほど安くなる。月々の利用料金が低いガラケーでも問題はないが、子ども世代とLINEなどでやりとりすることを考えると、格安スマホがベターだ。固定電話は詐欺電話などの心配もあるので、どうしても回線が必要でなければ解約しておいて損はない。

■残すものがあってもいい……支出のペースを守れば、老後の幸福度UP

 自分の寿命の前に資金が底を尽きないよう、さまざまな家計の“やめる”は必要だが、“必要以上にお金を残してもしかたない”という藤川さん。

「実は、シニア世代から、“年金暮らしで貯金ができない”という相談は少なくありません。でも、必ずしも貯金をする必要はないと思います。重要なのは、自分が死ぬまでお金が尽きないこと。それには、支出のペースを守る必要があります」(藤川さん)

 年金以外で死ぬまでに使えるお金(今ある預貯金など)は自分で把握できるので、95歳くらいまでの年間の予算を考えておくこと。1000万円の貯金がある場合、それを30年で割ると1年に約33・3万円、1か月では約2・8万円を貯金から切り崩して使ってもよいということがわかる。その際に、海外旅行などの大きな旅行費やリフォーム費用、必要なら車の購入費用も予算に組んでおくと安心だ。

 支出のペースを守るには、1か月の予算のうち、1週間分を財布に入れて使う方法がおすすめ。使いすぎか、余裕があるか、財布を見れば一目瞭然なうえ、残りを翌週に繰り越して、少し贅沢をするというメリハリもつけやすい。

「何もかも節制して人生の楽しみをなくしては本末転倒。ストレスを感じるもの、見栄だけで行っていることは手放し、楽しい体験にはお金をかけること。自分の老後の予算を知り、出費のペースを守ればお金は使っても大丈夫。お金の不安なく老後を楽しんでほしいですね」(藤川さん)

 写真ページには、人間ドックや外食、生命保険など、本文で紹介したものを「やめたら25年間でうくお金」の一覧表を掲載。今すぐチェックして、出費を見直して!

(取材・文/河端直子)


〈PROFILE〉
藤川太さん ◎ファイナンシャルプランナーCFP認定者。「家計の見直し相談センター」代表。宅地建物取引士。2万世帯以上の家計相談を行ってきた実績を持つ。著書に『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』など

植田美津恵さん ◎医学博士。医学ジャーナリスト。愛知医科大学客員教授。東京通信大学准教授。厚生労働省研究班委員なども務め、テレビや雑誌でも活躍する。著書に『戦国武将の健康術』、『いつか来る、はじめての「死」』など