“眞子さま萌え”に“佳子さまのダンス”

 私のなかで印象深いのは、それこそ秋篠宮さまと紀子さまのご結婚だ。皇族以外の一般人とのご結婚、しかも紀子さまはご学友であってごくごく普通の家庭で育った女性だ。当時のマスコミは“一般家庭から誕生した現代のシンデレラ“などと報じた。国民すべてが祝福したと言っても過言ではなかった。

 弟より後になったが皇太子(現天皇)さまと雅子さまのご結婚のときは、マスコミの取材がヒートアップした。なぜなら、お妃がまだ決まっていない状態で候補が何人かに絞られていて、その中に現皇后の名前が挙がっていたからだ。ハーバード大学出身で外務省に努めるバリバリのキャリアウーマンが選ばれるのか、それともほかの候補になるのか、ここでも国民の注目が集まったのだ。

 そのため週刊誌も新聞もスクープをとるために必死になり、候補宅には連日各社の記者が張り込みをして、朝の通勤時間や帰宅時に彼女たちに直撃取材するなど、いわゆるメディアスクラムが問題となった。

「テレビの登場や過熱する報道とともに、世間にとって皇族は“身近な存在”になっていきました。特に近年の秋篠宮家の眞子さま佳子さまはアイドルのような扱いを受けるように。インターネットユーザーや匿名掲示板などの台頭により、その風潮が顕著になりました。皇族という近寄りがたく高貴な存在はアイドル性を見出し易かったのでしょう。

 眞子さまは『ニコニコ動画』などでアニメキャラ化され、“眞子さま萌え”ともてはやされたりしていました。くわえて、佳子さまが学外のダンスサークルでダンスをされている様子が“盗撮テイスト”の写真で報じられたりすることなどは、まさにアイドル的な扱いの象徴ですよね。」(週刊誌記者)

 そんな皇室のなかに彗星の如く現れた小室さんはまさにマスコミにとっては格好の“素材”なのだという。

「もともとテレビ界では皇室番組は視聴率がとれるジャンルでした。それに加えて、一連の小室さんの話題は借金トラブルに端を発したネガティブな国民感情を増幅する“芸能ゴシップ的”な要素をはらんでおり、まさに掛け合わせのコンテンツ。眞子さまがアイドル的な存在であるというのもこの結婚問題をドラマチックにしている大きな要因ですね」(ワイドショーディレクター)

 そのような背景もあり、ワイドショーでは小室さんの話題になると軒並み高視聴率を取るのだという。需要があるから小室さんの結婚問題はいつまでも放送されるし、「小室さんが話をなかなか進展させないのも話題作りに寄与している」(同前)とのこと。

 マスコミのなかにはこの“結婚問題”が長引く方がいいと思っている者も少なくない──?

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>                                                                            ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。