幅広いジャンルの知識を持ち、芸能界の新たな”ご意見番”として存在感を放つ、カズレーザーさん。だが、仕事に対しては「狙ってやってることなんて、ひとつもないです」と、あっさり語る。知性派売れっ子タレントの仕事観とは――。

※前回記事:カズレーザー「世界のすべては他人事」と思う訳

自分の代わりはいくらでもいる

「僕がやれる仕事なんて、ほかの誰でもできると思ってるんですよ」

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 取材中、スッキリとした顔で語ったカズレーザーさん。競争が激しい芸能界で、なぜこんなにも飄々(ひょうひょう)としていられるのか。メイプル超合金は『M-1グランプリ2015』をきっかけにブレイク後、コンスタントにテレビに出演し続けている。今のポジションを渡したくないと思ったことは、本当にないのか? 聞いてみると――。

「そんなの、一切ないですね。だって、たまたまそこにあったいすに座らせてもらっただけだから。誰かに『ちょっとどいて』って言われたら、どくしかないですよ。そもそも、自分が作ったいすじゃないし、もともと他人のいすじゃないですか。『自分の代わりはいない』って考えが、いちばんよくないと思うんです」

 日に日に勢いを増すお笑い第7世代の後輩たちに対する焦りや敵対心など、一切ないという。

「別に、これまで第6世代もいたし第5世代もいたでしょう? 次は第8世代と言われる若手が出てくるだけ。人じゃなくても、世の中には新しいものがつねにあふれてるし、いちいち気にしてもしょうがなくないですか? どんなに頑張ろうが、自分も歳をとるわけだし」