今年いっぱいでグループでの活動を休止する嵐。今では国民的アイドルとして輝かしい功績を残しているが、ブレイクするまでには多くの苦難を経験してきた。活動休止まで残り5か月となったいま、メンバーが見た光と闇を振り返る―。

多才なリーダー・大野智

 嵐のリーダー、大野智(39)はほかの4人に比べて地味な印象があるが、実際にはあらゆる分野で才能を発揮していた。

「'02年の舞台『青木さん家の奥さん』で初主演を務めました。コメディー作品で、芝居はすべてアドリブ。関ジャニ∞横山裕さんも出演しました」(スポーツ紙記者)

 当時からあまり前に出るタイプではなかったが、高い能力を持っていたと演出を担当した河原雅彦は、話す。

芝居に、踊りに、歌、絵と多才なうえに、どれもレベルが高かったです。勘もよく、舞台で自分が何を求められているかを察知して自然に動いていた印象です。ひとつアドバイスをすると、求める以上のものがポンと返ってくる。彼からは可能性しか感じませんでしたね

 共演していた横山とは、相性も抜群だったようで……。

「横ちゃんは、当時からおしゃべりでしたね(笑)。舞台裏や本番中に“俺はどこのグループにも入れてもらえないんや!”と言って、みんなを笑わせていました。彼は聞いてもいないのにプライベートな話をして、大野くんはそれを聞いてニコニコしていました。

 横ちゃんは、トークはうまかったけど、歌や踊りはまだ発展途上でした。対照的な2人でしたが、明るい性格の彼がいたから、大野くんもリラックスできたのでしょう」(河原)

 '04年には、舞台『WEST SIDE STORY』に出演。松本潤櫻井翔生田斗真風間俊介など、今のジャニーズを支えるメンバーがそろっていた。舞台美術を担当した松井るみさんは、大野は陰で努力していたと明かす。

「彼らの前にやっていた少年隊も苦労したほど、非常に高いレベルが求められる舞台でした。この舞台で踊るステップは非常に難易度が高いためか、劇場の中にある全身を映す鏡が置いてあるリハーサルルームで、ひとりコツコツ練習していたそうです

 ドラマやバラエティー番組で頭角を現したほかのメンバーとは、まったく異なる分野で注目されていった。