が、本当にそうだろうか。ユーチューバーの世界は本職たちが幅をきかせており、相方の中田や手越ですら、チャンネル登録者数の国内ベスト20にも入れない。藤森の売りといえばチャラ男だが、もっとチャラい芸風のユーチューバーもいる。そもそも、中田に流され、手越に転がされるような中途半端なノリで大丈夫かと思うのだ。

2度の成功と「逃した魚」

 とはいえ、本人が大丈夫だと思えるのはこれまでの成功体験のおかげだろう。オリラジはいきなり武勇伝が当たって史上最速で冠番組を持ったり、しばらくくすぶってもまた『PERFECT HUMAN』で再ブレイクしたりした。が、2度あることは3度あるとは限らない。というのも、藤森はひとつ、大きな成功を逃しているからだ。

 それは、田中みな実との恋愛である。数年前、結婚間近とまでいわれながら、破局。元カノがいま無双状態にあることを考えると「持っていなかった男」というイメージは否めない。

 今から約30年前には、漫才ブームで売れた太平サブローシローが吉本から独立。完全に干されてしまった。その後、紆余曲折の末、独立に消極的だったほうのサブローのみ、それなりの復活を果たしたが、藤森もなんとなくそんな未来になりそうな気もする。

 ただ、ひとつ面白いのは藤森のおかげで、中田の独立がミョーに余裕しゃくしゃくに見えていることだ。まさに「あっちゃん、かっけー」と引き立てる、リアル武勇伝状態である。本当は中田だって、今後が安泰とは限らないのだが──。

PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。