裏ワザを実際に試す出演者のリアクションは全部本物。

「台本には裏ワザがどんなものかって書いてあったけど、実際のVTRを見たり、スタジオで実践してみるのは本番だけ。基本、出演者はみんな素のリアクションです。誇張がない。だから、すごい裏ワザは“本当にすごい!”ってスタジオみんなではしゃぐけど、“これはあんまり…”っていうのはテンションの差がぜんぜん違う。でも、それもそのままテレビで流してましたよ(笑)」

 伊東を中心とした、裏ワザについてのにぎやかなやりとりも印象的だった。

「長くやっている番組には言えることだと思うんですけどね。やっぱり回数を重ねるごとに、みんなの距離感はすごく近くなりましたね」

裏ワザ企画は伊東家が“元祖”

 驚きの裏ワザを楽しく紹介するスタイルが人気を呼び、1999年の年末特番では27.4%という視聴率を叩き出すほどに。

「自分自身も当初は長く続くとは思っていなかったし、周囲からも”そんな番組すぐ終わるよ””おばあちゃんの知恵袋を紹介するだけの番組で、数字なんて取れるわけないじゃないか“なんて言われていたみたいで。だけどなんだかんだで10年続いて、その後に裏ワザ的な番組や、番組内のコーナーが増えたと思いますね。裏ワザっていう言葉が世に広まったのは、伊東家の影響がすごく大きいと思う」

『伊東家』には子どもから大人、おじいちゃんおばあちゃんまで全世代が見られる安心感があった。

「当時、そういうタイプの番組は伊東家ぐらいだったと思います。いま20代後半~30代の若い人たちに、けっこう”楽しく見てました”って話されることが多くて。かと思いきや、俺ぐらいの50代とかそれ以上の人たちからも見てたって言ってくれる。もう終わってから10何年もたつけど、未だにいろんな世代がいい番組だったって言ってくれるってことは、本当に質のいい番組だったんだろうなって思います」

 広い世代に愛された『伊東家』。紹介された裏ワザは、今もあなたの家で活躍しているかも…!?