年収が先に提示されるか、後付けでわかるか

 20代は、生活圏内の出会いでの結婚が可能です。なぜかと言えば、周りには、結婚の候補者となる独身者がたくさんいるからです。

 ところが、30才を過ぎると、生活圏内の結婚候補者は、年々少なくなっていきます。すでに結婚してしまった人たちが増えていくので、当然ですね。

 そこで、「このままでは結婚できない。婚活をしよう」と、結婚相談所や婚活アプリへの登録をはじめるのですが、ここで難しいのが、婚活での出会いは条件が先に提示されてしまうことです。

 例えば、20代のころに、異性を好きになってお付き合いがスタートする。スタートした時点では、結婚を考えていません。時間を重ね、好きという気持ちを積み立て、信頼関係が出来上がったときに、“結婚”を考えるようになります。

 気持ちが出来上がっときに、年収が後付けでわかったとします。想像していたよりも、男性の年収が低くても、「私も働けばいいし、一緒に頑張っていこう」という気持ちになりますよね。また年齢が若いこともあり、「今後、彼も私も年収も上がっていくだろう」という、楽観的な予想をします。

 ところが、婚活の出会いは、好きになる前に先に年収が提示される。そして、年齢を重ねるほどに、生涯年収もおぼろげに見えてきます。そうなると女性は、年収のいい男性との結婚を望むようになります。

 前出の妙美さんは、婚活アプリのプロフィールで彼が年収400万円だと正直に入れていたら、会わなかったかもしれません。このケースは、自分のことを好きになってもらい、後から年収を正直に告白した彼の作戦勝ちだったと思います。

 もし年収にこだわる女性だったら、年収が400万円ちょっととわかった時点で、交際が終了になっていたかもしれませんね。

 結婚相手に何を望むかは人それぞれですが、あまりにも年収にこだわりすぎると、結婚はできなくなってしまいますので、どこかで折り合いをつけることも大切です。


鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。新刊『100日で結婚』(星海社)好評発売中。公式サイト『最短結婚ナビhttp://www.saitankekkon.jp/ YouTube『仲人はミタチャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCObGYwIfj_oY-cm9LlnFmdA/featured