ワクチン接種がスタートしたとはいえ、まだまだマスクの常時着用が基本の世の中だ。しかし、こと認知症に関しては、さまざまな悪影響も指摘されている。

「マスク認知症」は高齢者だけの問題ではない

認知症患者は、そもそも顔の見分けや表情を読み取ることが苦手。マスクで相手の顔が見えづらいと、誰にケアされているのかがわからず混乱や不安を引き起こし、症状が進む可能性も」

 と、話すのは金町駅前脳神経内科の内野勝行先生。また、高齢者施設では家族との面会を制限する施設も多く、家族とのコミュニケーションそのものが激減している。仮に家族と会えたとしても、マスク着用が必須だと、高齢者が家族と認識できないケースもあるという。さらに会話や笑顔が減ることで免疫力の低下、脳の活性も鈍化して症状の進行が危惧されている。

 ここで知っておいてほしいのが「マスク認知症」は高齢者だけの問題ではないということ。長引くマスク生活のなかで「気がついたら口が開いてる」という人も多いのではないだろうか。これは、無意識に口呼吸をしているサイン。この口呼吸が脳の老化を加速させると語るのは、『脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!』(かんき出版)の著者で日本有数の認知症専門医である長谷川嘉哉先生。