四角四面な真面目さが時にトラブルを生む

 それでは、堂々と事実を書けばいいかというと、そういうものでもないでしょう。3人のお子さんを産みながら、きっちり体形を戻してグラビアの仕事をするとは、熊田は相当な克己心の持ち主だと思いますが、長所と短所は紙一重です。この四角四面な真面目さがトラブルを生むこともあるのではないでしょうか。

2人の女児を出産した後もスタイルを維持する熊田曜子(2017年)
2人の女児を出産した後もスタイルを維持する熊田曜子(2017年)
【写真】3児の母とは思えない、熊田のかなり際どいグラビアショット

 2018年11月4日、熊田がオフィシャルブログに都内某所の児童館について書いたことがもとで、炎上したことがあります。雨の日にお子さん3人を児童館に連れていった熊田。しかし、その場所は「大人1人につき子ども2人なので、申し訳ありません」と入室許可が出なかったそうです。熊田は《完全に私のミスです》とし、別の「雨でも濡れない公園」で楽しく遊べたと結んでいます。

 文面から考えるのなら、熊田は誰も責めていません。しかし、熊田はこの児童館がどこか詳しく書いています。「正しく伝えよう」と真面目さを発揮したのかもしれませんが、芸能人が個人や団体を特定することをネットに書くと、面白半分にクレームを入れる人がいないとは言えません。そうなると相手方にも迷惑がかかりますし、「第三者を使って、熊田が突撃させた」「自分が嫌な思いをしたらネットにさらす。やられたらやり返す」熊田を“黒幕”だと見る人もいるでしょう。本人にそんなつもりがなくても確実に問題は大きくなります。

 どういう家庭を作るかはカップルで話し合えばいいと思いますが、ひとつ言えることは誰しも自分が育った家庭の影響を受けているということ。私は婚活中の女性には、結婚を考える相手ができたら、相手の家に遊びに行くことをすすめています。お父さんとお母さんの関係性は未来の姿とも言えますし、熊田が悩んでいた料理問題も、相手がどんなものを食べてきたかを知ることで答えを見つけることができるでしょう。家庭は情報の宝庫なのです。

 小児精神科医・友田明美氏の『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版)によると、親のDVを目撃すると、子どもの脳がダメージを受けることが明らかになっているそうです。3人のお子さんを抱えて、いろいろ難しいことはあるでしょうが、幸い仕事がある。勇気をもって決断してほしいところです。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」