「周りを見ていても、夫には男の部分を求められないから、奥さんは俳優さんやアイドルにハマるわけです。夫も妻には女の部分を求められず、キャバクラに行ったりする。女性が妻・お母さんという役割だけでなく、女の部分に重きを置くと家庭が崩壊してしまうかもしれません。

 だから、そのモヤモヤにどう折り合いをつけて生きていくか、そこにお芝居などの芸術が役立つわけです。私たちの年齢になると、みんな自叙伝が書けるくらいの人生があるはず。『マミィ!』もご自身の自叙伝と重ね合わせて見てほしいです」

文句や愚痴は時間を決めて言う

 今回の舞台に向けて、少しずつトレーニングをする中、フラメンコを始めたという熊谷さん。

「やったことがないことを習うのはとても新鮮。頭と身体を連動させるのが楽しくて、かかとでカンカンカンと床を叩くのが気持ちよくて、やめられなくなってしまいました。1曲ちゃんと踊れるくらいまでは頑張ろうと続けています。

 始まる前に本番の衣装を着たら、『この衣装で踊れたら気持ちいいはず』とやる気になって! 体力づくりにも役立っています」

文句や愚痴も時間を決めて吐き出すことで内面を管理しているという  撮影/佐藤靖彦
文句や愚痴も時間を決めて吐き出すことで内面を管理しているという  撮影/佐藤靖彦
【写真】'20年秋に移住した静岡県・浜松で精力的に活動する熊谷さん

 農作業や、手作りの健康フードも熊谷さんの元気の源だ。

「梅干しとか梅酒とか、今は梅を加工する作業にいそしんでいますね。こんぶ水やタマネギ麹、スーパーフードを使ったスイーツを考えるのも楽しいです」

 そして、若々しさをキープするとっておきの秘訣も。

「文句や愚痴って、話せばきりがないですよね。だから自分で『はい、今から愚痴言います』『はい、終わりました』って、区切りをつけて話すんです。文句を言っていると、口角が下がって、眉間にしわが寄って顔に出ますよね。だから、顔を若々しくするためには、内面を管理することが必要なんです。

 美しい女優さんがすごいのは、自分の顔を管理する=内面を管理することができているから。表情筋の動きは自然に出てしまうものなので、いかに自分のネガティブさをコントロールできるか。愚痴を言っても、『はい、終わり!』と時間を決めて言えば、それほど顔には影響しにくいと思いますよ。

 美容クリニックへ行って若返りを目指す前に、心の管理で眉間のしわは取れます。自分の顔も曇りません! あれ、なんだか私、すごくいいこと言ってるかも(笑)