CM出演ランキング1位なのは……

 彼女が女優デビューしたての2012年。『週刊プレイボーイ』のインタビューに応じて記者から《彼氏のひとりやふたりは……》と問われたときも、

《そんなことないです! そりゃ、高校生の頃はフツーに好きな人もいましたけど……最近は完全に“恋愛ニート”なんです(笑)》

 こんな感じで絶妙に煙に巻いていく。世の男性読者のためにもっと問い詰めてくれプレイボーイ記者よ。「好きな人」というのは片思いなのか、彼氏なのか、何なのか。

 YouTube(2020年5月8日配信)でも彼氏に求める条件について「・怒らない ・精神の安定 ・重いものを持ってくれる ・ファッションにケチをつけてこない ・家事全般ができる」と、わりかし低めのハードルを設定している。思わせぶりだ。

 しかしながら、それも含めて本田翼のかわいさである。“オタサーの姫”が同性にあまり好意的に映らないのは、そのあざとさに気づけない男たちへの苛立ちからきているのかもしれない。

 そもそも、ここまで自身の恋愛観について話す女優もめずらしい。

 先日、彼女は2021年上半期のCM起用社数ランキングで初の単独1位(なんと15社!)に輝いたばかり。上位に位置するほかの女優たちは綾瀬はるか、広瀬すず、橋本環奈、芦田愛菜、今田美桜らであるが、彼女たちはめったに恋バナなどしない。様々な役を演じる女優としてパーソナリティを出して色がつくのを恐れているのか、タレント的なイメージ戦略なのかは知らないが、やはりこうして並べてみると、1位になった本田翼の特殊な立ち位置が浮き彫りになる。自己開示を是とするそのキャラクターを広告塔に添えることで、商品にも“正直で嘘のない”プラスイメージを与えることができるのだろうか。

 今回の報道で彼女の事務所は「プライベートについては本人に任せております」と回答している。「お友達のひとりだと聞いております」のワンランク上のそれ。つまりオープン交際なのだろう。オタクたちの怒りを尻目に「勘違いさせてごめんなさい〜」とペロッと舌を出すのである。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉