そんなとき支えになったのが、実母・浩ちゃんの存在。あれこれ口を出すのではなく、娘の痛みを理解し、支えようと必死になってくれた。

「いちばん印象に残っているのが、ちいがリストカットを繰り返していたとき。“あんたが切るなら私も切るから”って母が目の前で手首を切ったんです。ちいはお母さんが大好きだったから、ショックだった……。ですが同時にものすごく深い愛も感じました」

 荒れた生活は半年近く続き、子どもを両親にあずけて夜、出歩くこともあったという。

 どん底から復活できたのは、シングルマザーの先輩からのひと言がきっかけだった。

「“子どもだけは絶対にママの帰りを待っていてくれる。どんなに遅くても起きて待っててくれるんだよ。子どもだけは何があっても裏切らないよ”って言われて……。病んでる場合じゃない、私は子どもがいちばん大事! 守るべき存在がいる! と完全に目が覚めたんです」

悩めるママのヒントになれたら

 それ以後はとことん子どもたちを愛し、いちばんに考えるようになった。

「いいママになりたいというよりは、単純に子どもたちが愛おしくて、愛おしくて。心の底から大好きがあふれている感じです(笑)」

(左から)あきたんさん、琉ちゃろくん、ひめちゃん、ちいめろさん
(左から)あきたんさん、琉ちゃろくん、ひめちゃん、ちいめろさん
【写真】『4歳ホストくん』琉ちゃろの10年後

 そんなちいめろさんの元には、ファンからの悩み相談ともいえるメールが届くこともしばしば。「子どもをすぐ怒っちゃう……」「私もシングルマザー。毎日大変で子育てが楽しめない……」など、週に何通も寄せられている。

子育てがうまくいかない人は、まず笑うことを心がけてほしい。家庭の中心であるママが暗いと、家族みんなも暗くなって、悪いことが起こりがち、負のスパイラルに陥っちゃう。だから、キツくても笑う。つらい状況も気の持ちようだと思って、私も前向きに考えるように努力しています」

 また浩ちゃん世代ともいえる50~60代の女性には、「娘が子育てで悩んでいたら、まずはただ悩みを聞いてあげてほしい」と訴える。

「つらいの? 変なの?」と寄り添ってくれるだけで、心がほぐれる。悩みを言葉にして吐き出せれば、気持ちもグッと軽くなるもの。

「このとき、“こうしたら、あかんやん!”なんて上から目線で言うのは避けて。“わかっとるわ!”ってよけいストレスがかかっちゃうから。“一緒にがんばろう”って対等な感じで言ってくれると、いちばんありがたいかな」

 親とも子とも深い信頼関係で結ばれているちいめろさん。

 これまで両親からたくさんの愛情を注がれて育ったと振り返る。

「両親は厳しかったけれど、いろいろ経験させてくれたし、やりたいと言ったことはやらせてくれました。今度は私が自分の子をたっぷり愛する番! これからもユーチューブやブログでちいめろ流の家族愛を伝えていきたいな」

 どんな批判にも負けずに自分を貫く原動力──。それは彼女が愛する人たちの笑顔があるからなのだろう。

ちいめろ●ブロガー&ユーチューバー。シングルマザーとして仕事や家事、育児に取り組みながら、メイクやファッションにも一切手を抜かない姿が多くの女子たちから注目されている。著書に『死ぬまで可愛い女子でいる』(宝島社)などがある。ユーチューブチャンネル「chiimeloちいめろ」はチャンネル登録者数59万人を超える人気チャンネル。
https://www.youtube.com/channel/UCvkWfTGdqAz8N3nJfNay-cA/featured

(取材・文/樫野早苗)