普段の食事でちょっとした工夫を!

 悪玉の急増を抑えるために気をつけたい飽和脂肪酸だが、普段の食生活でどう減らせばいいのだろうか?

 牛乳やヨーグルトを健康のためにも毎日とりたい場合は、商品の選び方をちょっと工夫するだけで大きく減らすことが可能だ。

 例えば、ひと口に牛乳といっても、普通の牛乳はコップ1杯あたりに含まれる飽和脂肪酸が4・66gなのに対し、乳脂脂分を減らした低脂肪タイプのものは1・34g。牛乳を飲む習慣がある人は、低脂肪に変えるだけで飽和脂肪酸の摂取量を3分の1以下に減らすことができる。

 ヨーグルトなど、ほかの乳製品も低脂肪タイプの商品が出ている場合があるので、食べたいときは脂肪分の少ないものを選ぶのがおすすめ。

 また、飽和脂肪酸は肉にも含まれている。特に脂身に多いので、サシたっぷりの霜降り肉や脂身の多い豚バラ、鶏肉の皮などにも要注意だ。

「もちろん、乳製品も肉も大切な栄養素を含んでいるので、食べていけないわけではありません。食べる頻度を気にしたり、飽和脂肪酸の少ない商品や部位を上手に選ぶことで、リスクが上がってくる40歳以降の大事な時期を健康に過ごしていただければと思います」

乳製品に多く含まれている飽和脂肪酸

●牛乳コップ1杯 4.66g
●6Pチーズ1個 2.7g
●ヨーグルト1カップ 1.83g

出典◎日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※上の数値は低脂肪タイプではないものの目安

教えてくれた人……増田大作さん●りんくう総合医療センター循環器内科部長兼りんくうウェルネスケア研究センターセンター長。長年にわたって、コレステロールなどの脂質代謝や動脈硬化の研究に携わっている。

(取材・文/木村彩)