美咲ちゃんの姉が漏らした本音

 小倉家では、家族の誕生日にディズニーランドへ行くのが恒例行事だった。美咲ちゃんが行方不明になって以降は一転、足が遠のいた。

 昨年7月の姉の誕生日、とも子さんは久しぶりに姉を誘ってみたが「美咲が一緒のほうが楽しいから我慢する」との返事。

 小学校生活が最後となった今年の誕生日は、思いきって連れて行った。新型コロナウイルスの影響で入場が制限されたおかげで、いつも以上にアトラクションに乗る回数が増え、楽しんでいる長女の笑顔に嬉しくなった。ところが……。

乗り物にたくさん乗れて嬉しかったけど、心からは楽しめなかった

 帰りの車中に、長女が発した言葉に、とも子さんは胸が締めつけられた。

やっぱり美咲が戻ってこない限り、心から本当に笑える日は来ないとあらためて感じました。

 早く2人を一緒に学校に通わせてあげたい。

 そのためにも親として、できることを全力でやりたい。絶対に見つかる、無事に戻ってくるという思いは今も揺らいでいません。戻って来た時には、笑顔で迎えられるようにしたいです

 そう決意を新たにするとも子さんは、いつかの日を胸に、今日も山梨でちらしを配り続けている。

美咲ちゃんに関する情報は、
山梨県警大月警察署 0554-22-0110
小倉美咲ちゃん捜索ホームページ(http://misakiogura.com/


取材・文/水谷竹秀(みずたにたけひで) 
ノンフィクション・ライター。1975年生まれ。上智大学外国語学部卒。2011年『日本を捨てた男たち』で第9回開高健ノンフィクション賞を受賞。10年超のフィリピン滞在歴をもとに、「アジアと日本人」について、また事件を含めた世相に関しても幅広く取材している。