気をつけたい「濃度と量」

 とかく店先にある消毒は、自分の後にほかの客が控えている場面もあり、パッパとすましてしまいがち。

「アルコールを消毒のために使用するうえで、きちんと効果を出すには、ウイルスのいるところに30秒ふりかけなくてはいけない。より正確に言うならば、浸さなくてはいけない。

 手指の消毒は、石鹸を使って流水でしっかりと洗うことがいちばんだと考えます。指先は特に念入りに。石鹸そのものに殺菌作用があり、流水で洗っていますから、その間に乾くこともなく、しっかり消毒できる

 アルコール消毒は、テーブルなどでも使用される。

「テーブルも手指と同様に乾かないように注意が必要。テーブルは手より大きい。アルコールをちょっと噴霧して拭いているうちに、アルコールが乾いてしまっている場合も多いでしょう。それでは効果は薄い。

 ですが、最近の研究で、コロナはほとんどが人と人の対面でうつっていることがわかっています。つまりテーブルなどの“モノ”からはほぼうつらない。そのため水で湿らせた布巾でしっかり拭くことで十分だと考えます」

 岡田先生はアルコール消毒をやめたという。

「アルコール消毒によって手がかぶれてしまう人は少なくありません。何度も使っているうちにカサカサになってしまう。近ごろはアルコールでの消毒はやめて、その都度しっかり石鹸で洗っています」

 前出のネット調査でアルコールは使いたくない”という65%の主な理由はこれ。また、濃度にも注意が必要だ。

アルコールは、濃度が70〜80%がいちばん殺菌効果が高い。しかし、このいちばん効果のある濃度を満たしていない商品はたくさんあります。アメリカでは名指しで“これは買ってはダメだ”と言われているくらいです。濃度が低いものですと消毒の効果が極端に落ちます

 アルコール消毒はモノへの影響も……。