ロケ地にこだわれる番組はわずか

 ストーリーの完成度や俳優の演技のほか、ロケーションも作品の出来を左右する要素のひとつ。ロケ地にこだわったことで作品の評価を高めているのが、吉高由里子主演の『最愛』(TBS系)だと、前出の田幸さんは分析する。

「ヒロインの原点として描かれる第1話は、岐阜県の白川郷や富山のローカル線であるJR城端線など、豊かな自然がたくさん登場します」

 つらく悲しい事件を経て、上京後に関東近郊で進んでいくストーリーとの対比が効果的な演出になっていると続ける。

人生の起伏が大きくドラマチックに描けるうえ、郷愁や初恋の切なさなども抒情的に描けていると思います

 しかし、制作費が削減されている現在のドラマ界で、地方ロケなどができるのは限られた作品だけのようで……。

「TBSの日曜劇場や金曜ドラマのように注目が集まる枠は別ですが、どこの局も制作費はギリギリ。地方ロケではマネージャーの交通費は事務所負担というケースも増えていますから。ロケ地にまでこだわれるドラマは一部だけですよ」(芸能プロ関係者)

 景気がよくなるまでは、ロケ地かぶりは続く……!?

“かぶり”がもたらした経済効果

 定番のロケ地になったことで売り上げがアップしたり、観光資源として活用されるケースも。

 ドラマ『極主夫道』や『彼女はキレイだった』などで使用され、喫茶店シーンではおなじみのJR大森駅近くにある珈琲亭ルアンもその1つ。店主は「中島健人さんファンの聖地巡礼スポットになっているようで、放送後に若いお客さまが増えました」と喜ぶ。

東京・大田区にある珈琲亭ルアンは多くの作品に登場する

 菅田将暉と小松菜奈がダブル主演した映画『糸』や東出昌大主演『草の響き』の撮影が行われた北海道函館市は、市が作品ごとのロケ地マップを配布したり、ネット上で公開。観光客誘致につなげている。

北海道・函館の名所になった八幡坂は多くの作品に登場する