放置された家の掃除は近隣住人が

 空き家問題─少子高齢化が進み、人口が減少しつつある日本が新たに直面している深刻な社会問題だ。住む人を失った空き家が地方のみならず都市部でも目に見えて増えており、'18年の統計では実に849万戸、“7戸に1戸が空き家”だという。

 放置された空き家では、手入れされなくなった庭木や雑草が道にせり出し近隣住民や車の往来などの迷惑になるだけでなく、ゴミの不法投棄や害虫の発生源に。空き巣など犯罪を誘発し周辺地域の治安を悪化させるおそれもある。空き家問題に詳しいNPO法人空家・空地管理センター代表理事の上田真一氏に聞いた。

「空き家は誰でも抱えうるリスクです。親が亡くなり自宅から離れた実家を相続することになったり、高齢者施設に入所する際に空き家化してしまうケースが多いので」

 神田も、まさにそう。都内にある15坪ほどの土地に立つ一戸建て。1階から2階まで壁一面にツタが絡みつき、表札は当時のまま。錆びついた門扉の向こうには、落ち葉やゴミがたまっている─まさに空き家然とした建物だが、間違いなく神田の母・輝子さんが'01年12月に亡くなるまで住んでいた家。神田も学生時代、ここで生活していた。

もともと正輝のおばあちゃんの家だったんです。正輝が高校生のころに輝子さんとこの家に住むようになって。高校、大学とこの家から通っていましたよ。雪が降ると家の前の坂道で一緒にスキーをしたもんです」(近所の住民)

2002年1月に執り行われた輝子さんの通夜。すでに離婚していた松田聖子と娘の神田沙也加も参列した
【写真】空き家問題を直撃され、歯切れの悪い様子の神田正輝

 別の住民も当時を振り返る。

「神田さんは子どものときから美少年でね。やっぱりスキーが好きだったみたいで、よく車に道具を積み込んでは山へ出かけていましたよ。輝子さんは舞台だったり講演会だったりで全国を飛び回っていて、あまり家にいなかったんです。だからおばあちゃんがずっと神田さんの面倒を見ていましたね」

 輝子さんの死後、ひとり息子である神田がこの家を相続したのだが、隣接する寺の住職は渋い顔だ。

輝子さんが亡くなってからは、輝子さんの後援会の人たちが中心になって家の片づけをしていたみたい。神田さんは何もせず放置したまんまでねぇ。窓はずっと閉めたっきり、雑草もぼうぼうだし。この夏はネズミが2匹家の中に入っていくのを見かけましたよ。ツタの落ち葉やなんかの掃除も、お向かいの方やウチがやっているんです

 この寺には、輝子さんや祖母も眠っている。

近所も迷惑しているし、何より老朽化もしているから、何かあったら怖いでしょう? 近所のみんなが迷惑しているんですよ。人づてに神田さんに掃除や管理をお願いしたら“実家の管理は俺じゃない”“俺も母の弟と連絡がつかなくて困っているんだ”と言っていたって」(住職)