「秋篠宮ご夫妻には“皇族は学習院”という固定観念はありません。眞子さんと佳子さまは『国際基督教大学』を卒業されました。悠仁さまにも、ふたりのお姉さまにならい“進学先選択の自由”が与えられています」(同・秋篠宮家関係者)

 将来の即位が決まっている悠仁さまと、内親王として生まれた眞子さんや佳子さまとでは、事情が違うのではないか。皇室に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、こう危惧する。

「一般の家庭でも、そんな完全な自由はない」

「秋篠宮ご夫妻に“親としての教育方針”があるのは当然です。ただ、悠仁さまへの教育を拝見すると、未来の天皇はおふたりだけの子ではないということをお忘れになっているのではないかと感じることがあります。

 美智子さまは、かつて現在の天皇陛下にあたる浩宮さまの養育にあたって“日本国民、神からお預かりした宝です。自分の子ではいけないのです”と述べられました。上皇ご夫妻、天皇・皇后両陛下など、歴代の天皇家の方々の心構えを学び、かつ多くの国民の声にも耳を傾けるべきでしょう」

 とある宮内庁OBは、当時の美智子さまの“帝王教育”をこう振り返る。

「浩宮さまが誕生された'60年、美智子さまは“あづかれる 宝にも似て あるときは 吾子ながらかひな 畏れつつ抱く”という和歌を詠まれました。ご自身が産んだ赤ちゃんは、将来の天皇だという重責に対する畏敬の念が伝わります。一方で、浩宮さまの養育にあたり、幼稚園や学校の先生に“特別扱いはなさらないでください”と伝えられたという話もあります」

'71年11月、旧赤坂御所で砂遊びを楽しまれる3人のお子さま方と、見守られる上皇ご夫妻
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 ひとりの人間として、立派に育てあげることを大切にされた美智子さま。浩宮さまが初めての海外旅行を経験された'74年にはこんなエピソードも。

美智子さまは、その年の誕生日に際し、“外を自由に出歩く”という理想と、皇族には制限が伴うという現実の乖離について“一般の家庭でも、そんな完全な自由はない”と語られました。不自由さを受け入れ、国民に心を寄せられるこの価値観は、自由を追求する秋篠宮家の教育方針とは一線を画しているようにも感じられます。

 赤坂御用地への引っ越しを機に、美智子さまが秋篠宮家の教育をご覧になる機会が増えれば、ご自身の子育てとの違いを歯痒く思われるのではないでしょうか……」(同・宮内庁OB)

 新生活に悩みと不安はつきもの。それは皇室の方々にとっても変わらない─。


渡邉みどり 皇室ジャーナリスト。文化学園大学客員教授。60年以上にわたり皇室を取材

小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。皇族や華族にまつわる日本近現代皇室史を専門とする